空知英秋が『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気漫画『銀魂』の最新刊35巻が8月4日に発売され、長編「かぶき町四天王編」が完結した。この四天王編は、『銀魂』の数ある長編中でも有数の感動的な結末となった。

 『銀魂』とは、黒船ならぬ天人(宇宙人)が来襲し、突如価値観が変わってしまった町、江戸を舞台としたSF時代劇である。勤皇の志士や新選組など、幕末の人物をモデルとしたキャラクターが登場する。下ネタも多い少年誌連載漫画だが、テレビアニメや映画にもなり、女性ファンも多い。
 四天王編では主人公・坂田銀時の舎弟に志願した新キャラクター・椿平子の登場により、かぶき町四天王勢力(泥水次郎長、マドマーゼル西郷、お登勢、孔雀姫華蛇)が抗争する。

 実はジャンプ連載中、四天王編への評価は必ずしも高いものではなかった。キーパーソンの平子は、外見のかわいらしさとは裏腹に笑顔で人を欺き、陥れる不気味なキャラクターであり、感情移入できなかったためである。キャラクターに一本筋の通った信念があることが『銀魂』の魅力であるが、目的のためには手段を選ばない平子には、魂の美しさが感じられなかった。
 それでも話が進むうちに「他人の大切なものを奪い、壊してでも取り戻す」という平子の思いも解るようになった。この辺りは、人情話の得意な作者らしい巧みな筋運びになっている。
 平子の暴走で始まった四天王編も、お登勢と次郎長、お登勢と銀時のエピソードや、天人との戦いなど、話が大きく広がっていき、収拾が付かないように見えた。また、戦闘シーンでは過去のエピソードで登場した懐かしのキャラクターが集結する王道的展開で、このまま最終回に突き進むのではないかとの不安も生じていた。

 しかし最後は、当初の平子の思いを汲み取った内容に上手にまとめた。ラストシーンにはコミックスにて書き下ろしの追加ページがあり、『週刊少年ジャンプ』で読了済みの読者も必見である。

(『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』著者 林田力)

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