学校を卒業したら、さっさと実家を離れて一人暮らしをしたい――。そう思う学生は多々いることでしょう。その理由は人により様々だと思いますが、なかには実家を離れる以外、選択肢がなかったという人もいます。

 AV女優として一世を風靡し、2008年に惜しまれつつ引退、現在は女優業を中心に活躍する穂花さんもその一人。いや、その一人としてしまうには、あまりにも壮絶な人生により、実家を離れることになりました。

 鹿児島で生まれた穂花さんは、多額の借金を抱えた家庭環境により、3歳で施設に入所。5歳で誘拐犯と1年に及ぶ放浪という、とんでもない経験をします。その後、無事に親もとに戻るも、7歳になると、今度は性的虐待を受けるようになります。家にいれば、いつ「それ」に襲われるかわからない。少しでも早く家から出たかった彼女は、寮と奨学金制度のある高校に進学し、別になりたかったわけでもない看護師の道へ......。

 わずか7歳で「実家で暮らす」という当たり前の生活が、危険と隣り合わせになってしまった彼女。高校進学により、なんとか「それ」からは抜け出すことに成功しましたが、奨学金の関係で25歳までは決められた病院での勤務も義務づけられていたため、その時点で向こう10年の選択肢を失うことになりました。

 彼女の事例は、あまりにも特殊すぎるかもしれません。ですが、何の生活力も持っていない子どもが、実家を離れて暮らすということは、それ相応の代償(彼女の場合は10年という時間)を必要とするものなのです。親に頼らず自立することは大切ですが、それが簡単なことではないということを、肝に銘じておいたほうがいいでしょう。そして、実家で暮らせるという選択肢があるということが、いかに幸せなことであるかを、もう一度よく考えてみたほうがいいかもしれません。

 ちなみに紆余曲折を経て19歳で看護師として働き始めた彼女は、その後20歳のときに騙されてAVデビュー。21歳で拉致、DVを経験するという、ますます苛烈な人生を送ることに......。自叙伝『籠』には、25歳で"AVの女王"にまで上りつめ、女優としての道を歩み始めた彼女の衝撃的な半生が綴られています。



『穂花 「籠(かご)」』
 著者:穂花
 出版社:主婦の友社
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