夏のミステリーは東野圭吾で楽しもう

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 押しも押されもせぬ、日本を代表するミステリー作家・東野圭吾。

 1985年にデビュー作の『放課後』(講談社/刊)で江戸川乱歩賞を受賞、1999年に前年発表した『秘密』(文藝春秋/刊)で日本推理作家協会賞、2006年には『容疑者Xの献身』(文藝春秋/刊)で直木賞を受賞と、途中不遇の時代がありながらも(実は『容疑者Xの献身』で直木賞を取るまで、5度、最終候補にのぼっては落選していた)確実にステップアップ。
 今年に入って発表された『カッコウの卵は誰のもの』(光文社/刊)、『プラチナデータ』(幻冬舎/刊)の2作品はいずれも安定した売り上げを記録している。

 そんな東野圭吾ファンのためのムック本が洋泉社から出版されている。その名も『東野圭吾というミステリー』。デビュー作の『放課後』から加賀恭一郎シリーズ、ガリレオシリーズまで70作品を網羅、まさに東野作品のガイドブックといえる内容となっている。

 作品の解説はもちろんのこと、「チャート式 次に何読む?「東野作品」」というチャートを辿っていくと自分にお薦めの本を紹介してくれるコーナーや、職業別キャラクター紹介、テレビドラマ化や映画化された作品の紹介など、遊び心やミーハー心をくすぐる仕掛けが満載だ。

 個人的には東野圭吾さんの運命を変えた1冊として『アルキメデスは手を汚さない』(小峰元/著、講談社/刊)の書評が掲載されているのが興味深い。なんでも、高校2年生だった東野少年が人生で初めて読み通せた本で、書評を執筆した芹澤ばもさんは「たしかに東野作品(特に『放課後』や『魔球』)に通底するところはある」と評する。
 東野さんが読書の面白さを知った瞬間のエピソードは、エッセー『あの頃ぼくらはアホでした』(集英社)に収録されているというが、好きな作家がどのような作品に影響受けていたのか知ることで、また新たな本との出会いにつながるというのはなんとも楽しく、刺激的だ。

 東野作品の初心者から熱狂的なファンまで、幅広く楽しめる1冊だ。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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