“戦争の悲劇と平和への祈り”をテーマにした文庫シリーズが創刊

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 原子爆弾の投下から65年目の今日、広島では平和記念式典が行われた。今年は過去最多となる74ヶ国が参加し、犠牲者への追悼を捧げ世界の平和を祈った。

 戦後生まれ―いわゆる“戦争を知らない世代”が社会の大多数を占めつつある現代において、戦争の悲惨さや核兵器の恐ろしさを後の世代にいかにして伝えていくかということがこれからの課題となっている。
 どうして戦争が起こったのか、その中で人々はどのような生活を送り、何を考えていたのか。それらの記憶を辿ることが、同じ轍を踏まないための1つの“答え”となる。

 日本図書センターは7月、「平和文庫」シリーズを創刊した。これは戦後65周年を祈念して創刊されたもので、ヒロシマ、ナガサキ、沖縄など、「戦争の悲劇と平和への祈り」をテーマとした文学作品を四六判サイズで刊行していく。
 発行元となる日本ブックエースは、本シリーズ創刊にあたり「平和文庫を通して小学生や中高生といった若い方々に“戦争とは何か”ということを知って欲しいと思っています」とコメント。文字を大きくしたり、ふりがなを振ったりと若年層でも手軽に読めるようになっている。

 7月に刊行された第1回ラインナップには、淡々とした文体の中に原爆の悲惨さが浮かび上がる原民喜の『夏の花』や、被爆直後の広島の姿と原爆症の恐怖が実直に描かれる大田洋子の『屍の街』など全5冊が並ぶ。価格は税込みで各1050円。今後も継続して刊行していくという。

 戦後生まれの世代である私たちが戦争を「知らない」のは当然だ。
 しかし、私たちの親や祖父母たちが経験してきたことを「知ろうとする」ことはできる。なぜ戦争や核兵器は悲惨なのか、そしてどうして平和は大切なのか。それらを知る上では、こうした文学作品は絶好のチャンスだ。もし知ろうと思ったら、是非本シリーズを読んで欲しい。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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