ピッチブル・アウベスの不安要素は、ズバリ体調面。フィッチの一番の武器といえる部分だ

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カリフォルニア州オークランドのオラクル・アリーナで、7日(土・現地時間)に行なわれるUFC117「Silva vs Sonnen」。同大会のPPVカードはメインのUFC世界ミドル級選手権試合を初め、ブラジル×米国が5試合並ぶ、さながら国別対抗戦の様相を呈している。

MMA大国アメリカと、MMA王国ブラジルの威信を懸けた戦いは、まずヘビー級の一戦で幕を開ける。ロイ・ネルソンは言わずと知れたTUFシーズン10ウィナーで、UFCでは2連勝中の元IFL世界ヘビー級王者だ。

そのIFL時代にネルソンは、ブラジル人アントニオ・ジャウジを破り王座を戴冠、初防衛戦もブラジル人ファビアーノ・ペガレヴィ・シャウナーを下している。2試合とも打撃でTKO勝ちだったが、ジャウジ&ペガレヴィは純然たるグラップラー、ドスサントスは打撃が切れる新世代ブラジリアンだけに簡単にはいかない。デビュー以来4年で11勝1敗のドスサントス、今や師アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラを押しのけ、王国の重量級を引っ張る存在といえる。

アンコ型のボディから、思わぬスピードあるパンチを放つネルソンに、スピーディーな打撃のコンビネーションが持ち味のドスサントス。ネルソンはパンチにも威力があることが浸透してきただけに、これまでのように戦えるかどうかが、勝負の鍵を握る。

また、UFC殿堂入りを果たし、富と名声を手にするだけしてきたマット・ヒューズが、今も戦い続けることに疑問を持つ者は少なくない。「楽しいから」戦うというヒューズに対するのは、ヒカルド・アルメイダだ。4月に師匠ヘンゾ・グレイシーがヒューズにKO負けしており、対戦相手を意識に入れた部分では、アルメイダの方がモチベーションが高いと思われる。ただし、戦いとなると打撃戦を徹底して避け、ケージに押し込みテイクダウンを狙うアルメイダの戦法が、どれだけヒューズに通じるのか疑問が残る。

アルメイダはブレイクを宣せられることを承知し、一度のテイクダウンの成功で、グラウンドで仕留めることにかけている。現代MMAで柔術を全面に出して戦うアルメイダにとって、唯一といえる勝利の方程式はテイクダウンを拒まれ続けると、スタミナをロスするのは自明の理だ。その一方で、このところレジェンド路線のような試合が続くヒューズが、どこまで削り合いに応じることができるかも、勝敗を占う上で大きな要因になるだろう。

ライト級のクレイ・グイダとハファエル・ドスアンジョスの一戦は、UFCデビュー後2連敗から3連勝と盛り返したドスアンジョスが、ステップアップを掛けて人気者グィダに挑む形になる。

UFC戦績6勝5敗、記録より記憶に残る男グイダ。ファイト・オブ・ザ・ナイトを3度獲得した彼にとって、ベイエリアはストライクフォース世界王座の奪取、転落を喫した勝手知ったる土地でもある。

前回の試合でテリー・エティムを十字で破ったドスアンジョス。あの試合で見られたようにクリア・ポジションから関節技を狙うことができれば、一本を取れる公算もある。が、フィジカルをベースにエスケープ系柔術を習得しているグイダを相手に、ガードから極めることは難しいと予想される。よって、勝敗を分けるのはどちらがトップを奪うかという点になってくるだろう。

ジョン・フィッチ×チアゴ・ピッチブル・アウベスは、06年6月以来の再戦となるウェルター級トップ対決。既にジョシュ・コスチェックが、TUFシーズン 12のコーチ対決としてGSPが持つ世界王座に挑むことが確定しており、王座挑戦が決して見える状況ではない中での対戦では、前回の試合で一本負けを喫しているピッチブルの方が期するものがあるに違いない。

ただし、自らのコンディションが問題となり、3月のフィッチ戦を延期せざるをえなかったピッチブルは、コンスタントに試合を続け4連勝中のフィッチと比較すると、不安要素が少なくないのは事実だ。ATT所属のままだが、実際はコーチ陣やマネージメント態勢が一変しているピッチブルが、王座挑戦以前の強さを維持できているのかが気になるところだ。

大国×王国、勝利の行方を占うのはメインの世界戦同様非常に難しい熱戦が繰り広げられることは間違いないだろう。
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