■主審:井上知大
採点:3


今季からJ1担当主審になった若手の井上氏。J1の舞台というだけで、彼にとって2010年は刺激的だっただろうが、そこにW杯での西村雄一氏の勇姿も加わる。この試合の井上氏からはそんな良い影響が見受けられた。

6分、10分と影響したファウルをとり、逆に闘莉王のトリップなど影響していないものは流す。

13分、玉田へのホールディングに注意を与える。16分のチャージはボールに行った後に、金崎自身がぶつかったということでノーファウル。直後のファウルは影響したという基準通りの判定だ。

29分のコンタクトも互いにボールにプレーできているということでノーファウル。47分のダニルソンのチャージはボールにプレーできていないように見えたがノーファウル。54分、相手と入れ替わった金崎が引っ掛けられるような格好になったが、貰いにいったということでノーファウル。59分、互いにボールに対し、スライディングタックルするが、兵藤の足が阿部に入ったために、兵藤のファウル。63分、小野が相手のコースに入りチャージしたためファウル。この判定を受け入れず異議を唱え警告に。

65分、ボールがピッチに二つ入るが、井上主審は裁量で流す。が、これは影響するおそれがあり流すべきものではない。この判断の裏には、松崎委員長が以前、ピッチにボールが入り試合を止めた西村氏の判断を否定したことが影響しているのではないか。トップが空気を読めというような発言をすれば、私なら影響されてしまう。

90分、ドリブルする栗原にダニルソンがバックチャージしてファウルに。このファウルに栗原が怒り、ダニルソンに突っかかってしまう。井上主審はすぐに二人の間に入り、落ち着いた後に両者に警告を出す。試合を荒らさせないよい判定だった。

90+3分、第四審判からの助言で、ベンチにいた名古屋・高木が退場に。この時、名古屋はファウルをもらえており、なにがあったかわからないが、

中村俊輔が躍動している。僕は中村のプレーに好きな部分もあるし、リーグの盛り上がりにはかかせない人材だと思う一方で、この活躍の裏にJと世界の差があると確信している。その差がなにかというとJの“ディレイ(遅らせる)文化”だ。海外はボールを奪いに行く守備をするが、Jはディレイ(遅らせること)がファーストチョイス。ボール保持者としては、アクションを起こさなければ、ボールを奪いに来ない守備というのは、時間(余裕)を見出せる。これはパサーにとってなによりなもので、これにより中村が活躍しやすくなっているのだ。この守備の違いは欧州チャンピオンズリーグやW杯と比べると一目瞭然。審判も含め議論しなければいけないことは山ほどある。

〜採点基準〜

5:彼なしに試合はありえなかった
4:普通に試合を終わらせた
3:ミスにも見えるシーンがあったが、試合に影響はなかった
2:試合に影響はなかったかもしれないが、カード・得点に対する微妙なシーンがあった
1:ミスから試合の流れを変えてしまった
0:試合を壊してしまった

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