先入観を裏切られることは、時にここちよくもある。しかもその裏切りに"意外性"があればなおさらだ。

 そんな裏切りを披露してくれるのが、「ミニチュアみたいなホントの景色」を表現する写真家の本城直季氏。

 ゴルフ場、プール、高速道路、東京駅、行き交う人びと......。風景を高いところから眺めると車や建物がミニチュアのように感じられる"あの感覚"。

 その感覚を見事に写真で表現するのが、第32回木村伊兵衛賞を受賞した本城直季氏の作品「small planet」だ。精巧に作られたミニチュアを撮影した写真集のように見えるが、実はすべて現実のもので写真を眺めていると「本物」なのか「作りもの」なのか見分けがつかなくなる。

 そんな彼が新しく目をつけたのが「宝塚歌劇団」。宝塚の舞台は大掛かりなセットが巧みに仕掛けられ、次から次へと絶え間なく変わり、色艶やかな衣装は豪華絢爛な舞台をよりいっそう引き立てる。

 特に後半の演目「レビュー」と呼ばれるダンスシーンは圧巻で、輝かしい電飾にカラフルな照明が色を添え、これ以上ないぐらいの華やかさで光り輝く。そんな宝塚の世界を"ミニチュア"に落とし込んだのが本城氏の最新作『TREASURE BOX』。

 本城氏の手にかかった「宝塚歌劇団」は、まるでドールハウスを覗きこんだような世界。舞台上の踊り子たちの姿は、キラキラと光る宝石箱のなかのオルゴール人形を見ているかのよう。

 「ミニチュアみたいなホントの景色」。あなたは騙されずに見ることができるだろうか。



『TREASURE BOX 』
 著者:本城 直季
 出版社:講談社
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