星村麻衣(撮影:野原誠治)
 昨年3月に全シングルとピアノセルフカバーを収録したアルバム「PIANO&BEST」を発売した後、制作環境を新たに心機一転、今年3月に前作「ひかり」以来1年7ヶ月ぶりとなるシングル「いちばん星」を発売した“ピアノガール”星村麻衣。6月には1年8ヶ月ぶりに東京・渋谷DUO MUSIC EXCHANGEにてワンマンライブ『一夜限りの復活!PIANO GANG STA☆』で復活を遂げた彼女が、7月29日に続くニューシングル「Candy」を発売した。

――今年3月に発売されたシングル「いちばん星」から新たな環境で音楽制作を始めてみて、心境的な変化はありましたか?

星村麻衣(以降、星村):メジャーからという所でいうとガラっと変わったんですけど、すごく自由にやれていて。もちろん締め切りとかは前と変わらずにあるんですけど、気持ちの上ではすごく色んなものが取れて、すっきりした感じはありますね。自分の姿勢というか、「やらなきゃ」という所から「納得できるまでやりたい」という意識だったり。今までライブでも色んなことを言われて、それを気にしながらやっていた時期も正直あったり。今はもうそういうことは考えずに、まず自分が楽しまないと、それがお客さんにも伝わらないんじゃないかなと思って。MCも割とグダグダな感じとか、自由に言いたいことを、自分らしさを出したいなと思いながらやってますね(笑)。

――「いちばん星」の歌詞には、そういった心境が描かれていますよね。

星村:この曲は去年レーベルだったりが終わって、ずっと一人で考える時間が多くて、その時に出来た歌詞なので。まさに、そういうことを考えていた時の歌詞ですね。

――6月にワンマンライブ「一夜限りの復活!PIANO GANG STA☆」をやられたDUO MUSIC EXCHANGEは、1年半前にワンマンライブをやられたのと同じ場所ですが、ライブを終えてみて如何でしたか?

星村:1年半前のことも思い出したし、結構、時間が経っているにも関わらず沢山の人が集まってくれたことへの感謝だったり。ステージに出るまでどのくらい人がいるか分からなかったので、スタッフからは「ちゃんとみんな入ってくれてるよ」と言われても…みたいな所があったんですけど。ステージに出たらすごい安心感というか、ほっとしたのと、お客さんに「お帰りー!」と言ってもらったり、とにかく嬉しかったですね。

――お客さんとのコミュニケーションの取り方は、以前と変わりましたか?

星村:前からCDを買ってくれた方にサインして、握手会は積極的にやっていたので、今も変わらずにやっていたり。お客さんとの距離感が近い感じは、変わらないですね。

――「PIANO GANG STA☆」は、2004年から月一でやられていたようですが、当時はどんな内容だったんですか?

星村:デビュー当時1作目のアルバムとか、すごくロックを意識した作品を作っていて。「ピアノ=可憐というか、お嬢な感じのイメージを払拭したい」というのもスタッフとずっと言っていて。ネーミングも、ちょっと悪カワイイみたいな「PIANO GANG」という。「STA☆」は星村ということもあり、結構安易な感じの(笑)。

――「一夜限り」にしたのは?

星村:その当時は月一ということもあって、ハコももっと小さい100人ぐらいの、もう今は無いんですけど、原宿の駅前にあったライブハウスだったんですよ。そこは生ピアノで、お客さんともすごく近かったので、そういう昔の感覚というか「もう一度原点に」という所も意識して。

――自分の原点は、どんな所にあると感じていますか?

星村:もう純粋に、曲を作ることがすごく好きなので。一人だった時は、音楽をこの先も続けていけるのなら、誰かに寄せた音楽とか真似ではなく、まず自分の直感だったり、自分が納得できるものを、ずっと出来ればいいなというのがあって。元々ポップスが大好きなので、これからもっと個性的にピアノを使っていったり、自分にしか出せない色を出せるといいなと、ずっと考えていましたね。