場所にも時間にも縛られない新しい働き方の「現在」(前編)

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 これまでの働き方といえば、朝、会社に出社し、社内でデスクに向かい、時には外回りを行い、夕方(もしくは夜)に退社というのが一般的であった。しかし、近年、ノートブック型パソコンの普及やネットの接続環境の拡大によって、新しい自由な働き方をする人たちが増えているという。

 ITジャーナリストの佐々木俊尚氏は著書『仕事をするのにオフィスはいらない』(光文社/刊)は、この場所にこだわらない働き方を「ノマドワーキング」として紹介する。「ノマド」(nomade)とはフランス語で「遊牧民」を意味する。作業を様々なところで行うそのロケーションフリーさが「遊牧民」に似ているということからそう名づけられた。

 先月、ダイヤモンド社から『「どこでもオフィス」仕事術』を刊行したコンサルタントの中谷健一さんもノマドワーキングの実践者だ。
 もともとリクルートに勤務していたという中谷さんは、情報誌の創刊やi-mode向け情報サイト「エフモード」立ち上げへの参画を経て2005年に独立。その当時から、中谷さんの周囲では「ノマド」的に働く光景が広がっていたという。

「私自身も佐々木さんの本が出る前、それこそ『ノマドワーキング』という言葉がなかったときからこのような形の働き方を実践していましたが、リクルートを卒業した先輩OBたちにそういうワークスタイルの方が多かったため、まったく違和感がありませんでした。」

 中谷さんの働き方はドラスティックだ。中谷さんは会社経営者だが、固定したオフィスを持たず(便宜上レンタルオフィスを借りているがほとんど使用しないという)、その時にいる場そのものがオフィスになる。喫茶店も、公園も、観光地も、中谷さんからしてみれば全てオフィスと化してしまうという。
 そんな中谷さんがこれまで蓄えてきたオフィスのノウハウを詰め込んだ1冊が、6月に刊行した『「どこでもオフィス」仕事術』だ。本書は発売1ヶ月にして3刷を突破。静かに、だが確実に「ノマドワーキング」を浸透させている。

 中谷さんは「ノマドワーキング」の利点を以下のように分析する。

「単純に時間や場所に縛られず、自由に仕事ができるというのは利点です。特にフリーランスで活動されている方は何重にも仕事を持っていると思いますが、オフィスを切り替えることで、仕事のレイヤーも切り替えをしやすくなります。また、会社内にいるとそれだけで仕事したという気分になるじゃないですか。そういうのが薄れるから逆に緊張感が生まれますよね。“やらないとヤバイ!”って」

 いくら終身雇用が崩壊し、働き方は変わりつつあるといっても、こうしたフリーランス的な働き方が出来るようになった人は少ないだろう。だが、この「ノマドワーキング」はフリーランスの人向けだけの働き方ではない。
 会社に所属していても営業職や企画職といった職種のビジネスマンならば有効であると中谷さんは話す。

 7月26日配信予定の後編では、この「ノマドワーキング」のデメリットとは一体どこにあるのか、そして、中谷さんの1日を追いかける。
<後編に続く>
(新刊JP編集部/金井元貴)


※ダイヤモンド社より電子書籍版『「どこでもオフィス」仕事術』が7月28日リリースされる。『「どこでもオフィス」仕事術』の白黒写真は全てカラーで掲載。また、ノートブックの電源検索サイト情報も増量。詳細は以下のページから。
http://diamond.jp/e-books/


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