日本の政治にはどうやら"若者"という視点は存在しないようだ。

 民主党政権は、国家公務員2割削減のために新規採用枠を4割近く削減した。目玉の子ども手当の財源も結局は赤字国債。つまり、次世代の赤字負担を増やしただけ。いまや政治のあらゆるプロセスが、次世代の若者たちの問題を先送りにしていないだろうか。若者はいまこそ、声をあげて立ち上がるべきである。

 国立社会保障・人口問題研究所の「将来推計人口」(2006年中位推計)によると、2006年にピークを迎えた日本の人口は2010年に1億2717万人、2020年には1億2273万人と予測されている。10年間でおよそ450万人も減るわけだ。それ以降も年平均1%以上の割合で人口が減少していくと予想されており、2050年にはついに1億人を割って約9000万人、2100年には約4771万人になる。これから100年間で日本人はいまの半分以下になるのだ。

 人口減少の要因は、少子化。人口を維持するために必要な合計特殊出生率(1人の女性が産む平均の子どもの数)は2.11といわれているが、日本は1974年にこの水準を下回り、それ以降も全体的な基調としては低下を続けてきた。2005年には1.26まで落ち込み、最近やや改善したものの現在も大幅に上がる兆しはない。74年以降、1年間に生まれる子どもの数も203万人から115万人と大幅に減少している。

 先進諸国では少子化に加えて「長寿化」も進行している。人口の減少、少子化、そして高齢化。これは社会にさまざまな影響を及ぼすが、その中でも身近な生活においてもっとも深刻なのが、社会保障にあたえる影響だ。

 社会保障の「受益」と「負担」に関する世代間格差は、「世代会計」という手法で把握することができる。詳しい説明は省くが、要はそれぞれの世代が一生のうちに得る受益や支払う負担を合計し、その差額を推計するものだ。

 内閣府が社会保障のほか、教育や治安サービスなどの政府消費も含め、各世代の受益と負担を推計したデータによると、60歳以上の世代は4875万円のプラス(得)だが、その金額は年齢が若くなるにつれて減少し、30歳代は1202万円のマイナス、20歳代は1660万円のマイナス、その下の将来世代は4585万円のマイナスとなっている。60歳以上の世代と将来世代とでは約9000万円もの世代間格差が生じるわけだ。

 同じ日本に生まれながらこれだけの不公平が生じるのだとすれば、けっして放っておくことはできない。若者が自身の権利を勝ち得るためには、特定の既得権層やイデオロギーに騙されずに、正しい判断をする必要がある。

 全国の若者はいまこそ立ちあがり、団結しなければならない。一言の文句も言わずにツケばかりかぶっている場合ではないのだ!



『世代間格差ってなんだ 』
 著者:高橋 亮平, 小黒 一正, 城 繁幸
 出版社:PHP研究所
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