「日本は食料自給率が低い」
 「日々消費されるほとんどの食料を、日本は輸入で補っている」
 「近い将来、世界で食料が奪い合いになるのでは」

 ここ数年、日本農業の競争力の低下が問題視されています。ところが、『日本は世界5位の農業大国』の著者・浅川芳裕氏によれば、実は日本は世界で5番目の農業大国なのだそうです。農水省が発表している日本の農業の生産額は8兆円。世界全体で見ても、この生産額は中国、アメリカ、インド、ブラジルに次いで5位。最近、中国野菜など海外輸入モノの野菜がクローズアップされがちですが、実はそれも全体の10%程度。重量換算での自給率は80%を超えているそうです。
 
 では、なぜ日本の食料自給率は低いと言われてしまうのでしょう。
 
 それは、日本の農水省が提示している「食料自給率」がカロリーベースで計算されているから。現在、農水省が発表しているカロリーベースでの日本の食料自給率は41%。農水省は2015年までにこの自給率を45%までに引き上げようと提唱しています。
 
 問題なのは、このカロリーベースの自給率が国民1人1日当たりの国産供給カロリーを1人1日当たりの全供給カロリーで割って算出されている点です。全供給カロリーとは、実際に消費しているものではなくて流通に出回った食品すべてを計算したもの。つまりコンビニやスーパー、ファーストフード、レストランなどで毎日廃棄され、誰の胃袋にもおさまっていない大量の食品も含めて「消費されたカロリー」として計算されているということ。
 
 この供給カロリーは2573キロカロリーとされていますが、実際、データで見る日本人の1日の摂取カロリーは平均1905キロカロリー。この差は実に700キロカロリー近くあります。この実際の摂取カロリーで計算すれば自給率は54%。実は農水省の掲げる自給率目標値の45%を楽々クリアしているのです。

 農水省が提示する食料自給率と実際の自給率には大きな差があるのも問題ですが、1人当たり700キロカロリーもの食べ物が毎日誰の口にも入らずに捨てられているというのも見過ごせない事実です。自給率の向上も大切ですが、食物のロスの少ない流通体系を確立することに着手する必要もありそうです。



『日本は世界5位の農業大国』
 著者:浅川 芳裕
 出版社:講談社
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