米経済誌「フォーブス」が発表した「新興金融センターランキング」では、大阪が1位になり北京が4位にランクインした。15日、中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 このランキングは今年3月に発表された「世界金融センター指数」(GFCI)に基づくもので、GFCIはコンサルティング会社のZ/Yenグループが、ロンドンの行政機関、シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションの委託を受け、2009年7月から12月にかけて世界の75の金融都市を調査して作成した。世界的な金融センターの首位はニューヨークとロンドンで、香港は3位だった。

 また「フォーブス」は今回、09年と10年のGFCIを比較し、順位の上昇が最も大きかった新興金融センターのランキングも発表した。ベスト5は大阪、ウエリントン、ソウル、北京、メルボルンの順で、アジア太平洋地域の金融センターの地位向上が目立つ。250万人を擁する大阪は三洋電機やパナソニックなどの本社があることが評価された。

 しかしこうした新興金融センターは、「急速に興った競争者」にすぎず、アジア太平洋地域で香港やシンガポールの地位を揺がすほどの実力はまだない。香港とシンガポールは相変わらずアジアのトップ商業都市であり、北京と上海はその後を追い、ソウルは「多元化の金融センター」といえるが、多くの分野でまだ業務が深まっておらず、トップとの間にはまだ差がある。

 新興の金融センターで業務を展開するには、過去の成績を参考にすることができないため、比較的リスクが高いと考える経済アナリストもいる。Z/Yenの総裁補佐は「かつてのデータは安心できるもので、私だったら大阪よりは香港や東京に投資するだろう」と話す。(編集担当:米原裕子)



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