南アフリカ・ワールドカップのファイナルで、決勝点を挙げた際に、昨夏急逝した元エスパニョールDFダニ・ハルケ氏に捧げるシャツを見せたスペイン代表MFアンドレス・イニエスタ。彼の行動を予想していた者はおらず、そのメッセージはエスパニョールのハートへと届いている。

イニエスタはスペイン『ペリオディコ・デ・カタルーニャ』に対し、次のように話している。

「ダニには感謝しなければいけなかった。これまでは機会がなかったけど、彼はそれにふさわしかったんだ。この計り知れない喜びを彼や彼の家族、彼のファン、すべての人たちと分かち合いたかった。だから、試合前にあのシャツを着たんだ」

イニエスタの行動はハルケ氏の遺族とエスパニョールの心を震わせた。エスパニョールは13日朝、イニエスタの写真と、ハルケ氏に捧げた彼の言葉を掲げた。」

エスパニョールの選手たちは12日に練習を再開したが、選手たちもそれぞれ感動を口にしている。DFコロミナスは「アンドレスとダニが友達だったのは知っていたけど、ああいうことは予想していなかった。ゴールが決まっただけで感動していたけど、あのシャツを見てからは試合が終わるまで涙が止まらなかったよ。素晴らしいジェスチャーだ。本当に素晴らしいサプライズだったよ」とコメント。MFウルタードは「彼に敬意を表するよ。ああいう瞬間に、ダニのことを思い出させてくれるなんて…。彼はみんなを感動させてくれた。これ以上ないというジェスチャーだった」と語った。

エスパニョールのあるファンも掲示板の中で、「クレのしたことで泣いたのは初めてだ」とコメント。掲示板では、新シーズン最初のダービーマッチで、イニエスタにオベーションを捧げるアイディアが浮上している。クラブは「忘れられない記憶」と銘打ち、「サッカーが本当に感情で成り立っているということを思い出させる見事な行動に、スポーツにおける健全なライバル精神が示された」とイニエスタを称えている。