いやあ、終わっちゃいましたね、2010W杯。

いつものことだけど、こういうのって、
終わっちゃうと本当にあっという間だった感じがするね。


「今日から夢のような1ヶ月が始まるんだ」と猛烈にドキドキした1ヶ月前。
日本が初戦を獲ったことで、そのドキドキはさらに大きくなったね。

「まだまだ終わってないんだ」と最高に気持ちよくなってたGL中盤。
約30試合を消化しても、まだまだ終わらないことを改めて認識すると
なんとも贅沢な時間を味わっている気分になったものだ。

「ああ、あとちょっとで終わるのか」とセンチな気分になった準決勝。
生き残りチームが減っていくにつれ、“終わり”を感じるようになっていく。
なんというか、ほら、“日曜のサザエさん”状態?(この表現は正しいのか?) 


そんなこんなで、スペイン優勝。
08年ユーロに続く、ある意味“連覇”達成。

凄いことをやってのけたなあ、って思います。

彼らは、パスを繋いでポゼッションを高め、常に自分たちのペースで
中盤をコントロールしながらゲームを進めるというスタイルを貫いた。

F・トーレスの不調もあって、ちょっと派手さには欠けたかもしれないけど
(某巨大掲示板ではあのスタイルが“攻め篭り”なんて言われてたけど:笑)、
でも自分たちの理想とする形を続けてって、優勝まで成し遂げたのは
本当に凄いことだと思うんだ。

格闘技に例えれば、バダ・ハリやジェロム・レ・バンナがK-1で優勝しました、的な?

※分かるかな、この感覚。バダ・ハリやジェロムは、どっちかと言うと
かつてのオランダみたいなものだから、スペインとはちょっと違うけど、
まあ根本的な部分(自分のスタイルで戦う)は似てるかな、と


2008年もすげービックリしたもん。
「おいおい、このやり方で優勝しちゃったぞ」って。
「こんなにサイコーな優勝の仕方、ないっしょ」って。
W杯でもそれを成し遂げたってのは、本当に本当に“偉業”でしょう。


※言いたいことは「面白いかどうか」じゃないよ。自分たちが追求している
スタイルを貫いたかどうか、だから。
だって、スペインだって死ぬほど面白かったわけじゃないでしょ?


対するオランダ。

彼らは、逆に自分たちが標榜するスタイルを捨てて“勝ちにいった”結果、
決勝戦で敗れてしまった。

オランダといえば、攻撃であり、サイドアタックであり、美しいサッカーだ。

伝統的に、攻めることがスタイルとなっている彼らが、今大会については、
賛否両論あるなか現実的なサッカーに徹してきた。


「優勝するしかない」と思っていた。


あれは今大会を獲るためのサッカーで、優勝という結果以外に残せるものは
ないと思ってたんだ。なんというか、よく使われる言葉でいうと、
“次に繋がらない”というか(そんな簡単にまとめていい話じゃないけど)。

例えば、逆はセーフだったと思う。

スペインは仮に負けたとしても、未来のために残るものは山ほどあったと
思うんだ。あのパスサッカーにプラスαするものを探るのがこれからの
テーマになるというか、“スペインのやり方”を確立できたと思うんだ。


オランダは、自分たちのスタイルを捨てて勝負に徹した。
つまりは、ハッキリと、極端に、ぶっちゃけて言ってしまえば
「勝つ以外に何もない」ということ。それが今回のオランダ。


で、これは、日本にも言えると思うんだ。

我らが岡田・ジャパンも、これまで追及してきたスタイルを捨てて、
本番では勝ちに徹したサッカーに路線変更した。

そう、それはもちろん“勝つため”だ。

なので、今回の日本代表も勝利という結果以外、
残せるものはないと思ってた。


だって、これで“この4年間の答えはこれです”って言えないでしょ?