日本経済の回復が遅れているのはなぜ?

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 昨日行われた参院選の選挙活動でもほぼ全ての政党、候補者が口にしていた「景気回復」だが、残念ながら日本は欧米から立ち遅れた感がある。(アメリカの銀行は金融危機による損失8850億ドルのうち6800億ドルを償却し、自己資本比率も改善。中国も早期に回復の兆しが見られた)

 しかし、なぜ日本だけが景気回復できないのか?

 『世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか』(野口悠紀雄/著、ダイヤモンド社/刊)はその答えだけでなく、今後の日本経済の進む道をも示した一冊だ。

■なぜ日本の景気回復は遅れているのか?
 アメリカは製造業の比率の低い輸入国であるのと対照的に、日本は製造業の比率が高い輸出国である。日本の輸出はアメリカに依存してきた面があるため、アメリカの消費が落ち込むと、日本の輸出も落ち込んでしまう。
 輸出する製品を作るのは製造業だが、需要の多い時期に生産設備を拡張した後、需要が急減すると設備の調整が難しくなり、結果として製造業各社の利益を圧迫しがちだ。それは金融セクターが原因となった今回の不況でも同様のことである。

■アメリカの回復はなぜ早かったか?
 反面、アメリカは脱工業化が進み、需要の増減が国内生産にはさほど影響を与えない状態になっていることが、景気回復の早さの要因としてあげられる。
 実際、アメリカの銀行は金融危機による損失額8850億ドルのうち6800億ドルを償却し、雇用などの問題はまだ残るが、金融危機克服への道筋は見えたと言っていいだろう。
 また、アメリカにはGoogle、Amazonなど、目覚ましい利益増をあげている企業が複数あることも強みとなった。今回の金融危機ではアメリカだけでなく、脱工業化を果たしている国ほど被害が少なかったことが言える。

 では、日本経済が世界から取り残されないためには、どういった対策が必要なのか。
 本書、『世界経済が回復するなか、なぜ日本だけが取り残されるのか』はそのことを考えるうえで、重要な示唆を与えてくれる一冊だと言えよう。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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