ケイタイ爆発事故の口止め料?サムスンに顧客買収疑惑が浮上

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サムスン製のケイタイ電話が爆発したというニュースをお伝えしてから2カ月余。人々の関心もだいぶ消えかけていたところに、韓国で再びサムスンケイタイ爆発に関する話題が報じられている。

だが、今回の報道は新たな爆発事故の発生を知らせるものではなく、5月に韓国で起きた事故のケイタイ所有者と、サムスン側との事故後のやりとりについてである。(事故の内容については過去の記事を参照、第1の事故第2の事故

韓国メディア「プレシアン」によると、事故後、ケイタイが発火し故障したのは「本体の結合部分」が原因だとする所有者側と、「外部の影響」だとするサムスン側とで主張が真っ向から対立していたという。だがある時、サムスンが所有者に「500万ウォン(約36万円)を支払いますよ」と提案をしてきたのだとか。

しかし、それには条件があった。「民・刑事訴訟をしないこと」「ケイタイ事故を報じたメディアに電話をして、記事の削除を要請すること」「ケイタイ事故が内部結合によるものではなく、外部発火によるものだとする報告書に同意すること」。

つまり、500万ウォンを渡すので事故について黙り、事故は顧客の過失だったことにしてほしい…ということのようだ。

サムスンは同意書への署名を迫ったが、所有者は納得がいかないとしてこの提案を拒否。そのため、サムスン側の担当者は所有者に、「サムスンの法務部が動きますよ」などと、さまざまな方法で圧力をかけてきたという。

現在、韓国でこのニュースを報じているメディアはたったの3社。事故当時も、掲載された記事が後日削除されるなど、メディアへの圧力があったとのウワサも流れており、今回も大手メディアによる積極的な報道はなさそうである。

「プレシアン」が今回の出来事についてサムスンに確認の電話をしたところ、次のような返答が返ってきたという。

「イさん(ケイタイ所有者)のケイタイが燃えた理由は、外部で発生した熱がケイタイに伝わったから。合意金はイさんが最初に求めてきた」。

果たしてどちらの主張が正しいのか…サムスンのケイタイ爆発事故は、しばらくくすぶりそうな気配である。


参照:サムスン、携帯電話「爆発」500万ウォンでもみ消そうとした? - 民衆の声
参照:「サムスンはなぜ携帯電話爆発被害者に500万ウォンを渡したのか」 - プレシアン
参照:「携帯電話火災事故…顧客の過失にしてほしい」サムスン電子、消費者買収疑惑 - 京郷新聞


(文:林由美)

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