銘酒「真澄」で知られ宮坂醸造(長野県諏訪市)のアンテナショップに大型トラックと乗用車が突っ込み、店舗を全壊させる事故が起こった。しかし、全壊したのは酒蔵だと勘違いされるような報道があたったため、「もう真澄は飲めない」とネットは騒然。宮坂醸造にはファンや取引先から問い合わせが殺到。宮坂醸造は「壊れたのはショップです」と公式ホームページで説明した。

   この事故は2010年7月5日午後7時40分ごろに、諏訪市の国道20号線の交差点で信号待ちをしていた乗用車の後ろに大型トラックが追突。弾みで2台とも宮坂醸造の「セラ真澄」というショップに突っ込んだ。2階建ての建物は全壊したが、ショップは営業を終えていたため人がおらず、運転していた男性2人も軽症で済んだ。

「 真澄は大好きな日本酒でした、、、」

   この事故を多くのメディアが報道。ネットでは、

「ま、、、真澄が、、、宮坂醸造が、、壊れた」
「酒蔵は、増改築しただけでも味が変わってしまうといいますし・・・大損害ですよね。本来の味が復活できると良いです」
宮坂醸造 真澄は大好きな日本酒でした、、、」
「ちょっと真澄買い占めてくる」

などという書き込みが掲示板やブログに出て騒然となった。

   どうしてこうした勘違いが生まれたのか。この日の日本テレビのホームページに掲載されているニュースを見ると「日本酒『真澄』蔵元に車2台突っ込む」と見出しが躍り、木造2階建ての建物は大破した、と放送している。フジテレビは2台の車が「老舗の蔵元に突入」と見出しを付け、「蔵元では、事故当時、従業員は不在だった」ため怪我人はなかったと放送。テレビ朝日は「2台とも道路脇にある酒造会社に突っ込みました」と放送している。もちろん「店舗」という説明も出てくるのだが、壊れたのが店舗だけなのかどうかわかりにくい表現になっている。

酒蔵・壜詰工場などには全く被害なし

   宮坂醸造によると6日朝から数え切れないほど電話がかかってきた。その多くが「真澄」は出荷できるのか、醸造設備は大丈夫なのか、というファンや取引先からのものだった。そのため同社はホームページ上に今回の事故に関する報告と、お見舞いに対する感謝を掲載していたのだが、また改めて

「車が突っ込んだのは国道沿いの店舗部分です。酒蔵・壜詰工場・倉庫・事務部門などには全く被害がありません」

とホームページで説明した。同社の担当者は、

「全壊したのはショップなのですが、テレビや新聞の報道に『蔵元に車が突っ込み全壊』というものがあったため、誤解が広がってしまったのだと思います」

と戸惑っている。現在は壊れたショップの復旧に全力を挙げていて、

「真澄の出荷は通常通りですので、これを機会にぜひ買っていただければ嬉しいです」

と話している。

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