この夏にボーナスを支給する中小企業が51.0%と半数にとどまっている。大阪市信用金庫が、取引先の中小企業を対象に6 月中旬にアンケート調査を実施し、1040社から得た回答をとりまとめ、発表した。大手企業のボーナスが上昇傾向にあるが、中小企業では平均支給額も過去最低を記録するなど、いまだに厳しい環境にあることが判明した。

 調査によると、この夏にボーナスを支給する中小企業は51.0%(530社)と約半数にとどまり、同行が98年に調査を開始して以来、最低を記録。さらに、昨年の支給企業割合(56.7%)を5.7ポイント下回っている。支給企業割合が減少するのは3年連続となる。

 「支給しない」企業の内訳を見ると、「ボーナスは支給できないが、少額の手当を出す」とする企業は33.0%で、昨年夏比2.5ポイント増加。「全く支給なし」とする最も厳しい状況の企業は16.0%で、同3.2ポイント増加。「小額の手当を出す」「全く支給なし」も、調査開始以来最多となっている。

 業種別にみると、「支給する」企業は小売業が4割程度(41.0%)で最も少ないのをはじめ、運輸業(46.3%)と製造業(48.9%)も初めて5割を切っている。

 従業者規模別にみると、「支給する」企業は規模が小さくなるほど少なくなっており、50人以上の88.9%に対し20人未満は46.5%と、その差異(42.4ポイント)は大きく開いている。

 「支給する」企業の1人当たりの平均支給額は、25万3559円で、金額でも調査開始以来の最低金額を記録した昨年の平均支給額25万5100円をさらに1541円下回っている。支給額の減少は3年連続。

 支給額の分布をみると、「20〜29万円」(42.4%)が最も多く、次いで「20万円未満」(30.0%)、「30〜39万円」(19.2%)と続いている。業種別にみると、支給額はサービス業と小売業を除く業種で昨年より減少、小売業が28万1311円で最も多く、運輸業が22万3648 円で最も少ない。

 従業者規模別にみると、支給額は規模が小さくなるほど少なくなっている。

 日本経団連が実施した夏のボーナス調査では、大手上場企業は平均1.5%の増額になる見通しだが、中小企業では厳しい経営環境がいまだ続き、賃金低下を招いている実態が明らかになった。

「1年前より賃金が減少した」 3分の1以上
アルバイトで働く理由 「生活費」が最多
コスト削減で働くモチベーションが低下 半数の社員に不満

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