転職について一度でも考えたことのある人は、結構多いのではないでしょうか。なかにはすでに経験済みの人も、計画中の人もいるでしょう。

 景気動向、個々の業界の衰退などさまざまな背景があるため、ある一時点の結果がすべてを語るわけではないことを念頭に置きながら、転職の現状を紹介しましょう(厚生労働省「平成18年転職者実態調査」より)。

 2009年6月の時点で、30人以上の事業所の正社員のうち5.4%が転職者でした。もちろん業種や事業所規模によって違いがあります。正社員の転職者比率が高い業種は不動産業(11.7%)、医療・福祉(9.4%)、運輸業(7.9%)、サービス業(7.9%)です。事務所の規模では1000人以上(2.8%)、300〜999人(3.4%)、100〜299人(6.1%)、30〜99人(6.5%)となっています。

 不動産業に転職者が多いですが、これは会社の規模などの影響もあります。相対的にみて不動産業界は巨額の資本投資を必要とせず、新規参入がしやすいのです。そのため小規模企業がたくさんあります。企業所規模が小さいほど転職者比率が高いことからわかるように、他産業に比べれば、転職が容易という見方ができます。しかし、一方で雇用の安定や賃金などの労働条件が良くないという可能性も否定できません。

 医療・福祉で思い当たることは介護労働者や医師・看護師の事情です。医師は人との関わりの深さや肉体労働、長時間労働の割に低賃金であることがよくいわれていて、看護師も長時間労働の問題が大きく、ほかの病院への転職などが多いのでしょう。

 年齢階層では男女とも25〜29歳がもっとも転職者比率が高く、男性20.1%、女性23.7%です。男女とも40歳前後で比率が変わるようで、転職者比率が高いのは比較的若い世代(20歳代、30歳代)です。

 興味深いのは年齢を問わないでみると、事業所規模が小さいほど転職者比率が高いのに、年齢階層別にみると20〜30歳代前半までは、大きな事業所のほうが転職者比率が高いことです。若い人たちのなかには大きな会社を目指して就職しても、結果的に合わなくて転職した人がそれなりにいる、ということになるのです。
 
 転職に際して「業務実績と新たな貢献が問われる」ことは間違いありません。そして、同じ実績や能力の人なら最後の決め手になるのは人柄になります。しかし、突貫工事で自分の評判を良くするのは難しいですよね。つまり、「日ごろが大切」になるのでしょう。しかし、人柄だけでは決まらないのが転職。結局、「答え」はないのかもしれません。



『会社が教えてくれない 「働きかた」の授業 』
 著者:小倉 一哉
 出版社:中経出版
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