「ウツ病」「躁ウツ病」を煩う人も、いまでは珍しくなくなりました。普通の人でも「いまウツっぽいんだ」「あの人、ウツだよね」などの会話を交わした経験があるのではないでしょうか? 

 本書『ウツになりたいという病』は心理学者である植木理恵さんが、最近急増している「ウツもどき」について言及しています。「ウツもどき」とは、本当のウツ病ではないけれど「ウツ病なのでは」と自分で思いこんでしまう症状です。

 まず、ウツもどきにはおおまかに分けて3つの種類があるそうです。

1.ウツ病というレッテルを貼られることを望む「ウツになりたい病」
 10代の男女の妙にポジティブな人に多いそうです。人として落ち込んだりするのは当たり前なのに「根暗な人だと思われたくない」「落ち込むのはウツ病だからだ」と自ら思いこもうとするタイプです。

2.アイデンティの不安定さからくるウツ病的な症状
 団塊ジュニア世代の、受験戦争や就職戦線にばかり意識を集中しすぎて、「本当の人生の楽しさ」「意味」などを10〜20代の頃に考えてこなかった人に多いそうです。「生きる意味」を考えすぎてしまい、ウツ症状になるようです。

3.10〜30代の女性に急増している新型ウツ
 高学歴、高収入で、あまり挫折もなく生きてきた人に多いそうです。権利意識や自己主張が強く、他人を責めたり、励まされると怒るという特徴があるとのこと。得てして頭はいいけれども人間的にあまり成長していない人が多いそうです。

 また、このウツもどきの見極め方としては、いくつかのゆがんだ思考パターンを自分が持っていないかに注意すべきだと植木さんは語っています。

「大げさに考える拡大解釈思考」〜ちょっとしたミスを大げさに考えすぎて、激しく落ち込む...など。

「黒か白かはっきり分ける」〜オール・オア・ナッシングという完璧主義者。ちょっとした失敗で物事をあきらめたり、前に進めなくなってしまう。

「相手に対する心の読み過ぎ」〜人のちょっとした行動を深読みし過ぎてしまう人。たとえば、いつもにこやかに挨拶してくれる近所の人にそっけない会釈されただけで、「なにか失礼なことをしたのでは」と不安になってしまう。

 ほかにも「先読みし過ぎる」、自分の思いこみだけで結論を出す「結論の飛躍」、自分の感情を元に物事を判断してしまう「感情の重視」、「『○○すべき』思考にとらわれる」、なにか悪いことがあったときに自分のせいにする「自己関連付け」があるそうです。

 みなさんに当てはまった項目はありましたか? ストレスを抱えず自然体で生きることは難しいことですが、競争社会に身を置く現代人だからこそ、こうしたメンタルヘルスの知識も多少は持っておきたいものです。



『ウツになりたいという病』
 著者:植木 理恵
 出版社:集英社
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