経済産業省が実施した「たんすケータイ あつめタイ\(^o^)/」の事業報告が公表された。そのデータから、携帯電話のリサイクル促進モデルの試算を探る。

 昨年11月から今年2月にかけて、使用済み携帯電話のリサイクルキャンペーンとして、「たんすケータイ あつめタイ\(^o^)/」と呼ばれる事業が展開されていたのをご存知だろうか。

 経済産業省によって行われていたこのキャンペーンは、「携帯電話リサイクル促進の一環として、全国規模で効果的・効率的なインセンティブ付与方法の検証、事業収支構造の明確化、事業の継続可能性の評価等を行い、使用済み携帯電話回収促進モデルの検討を行う」ことを目的とされていた。

 また「たんすケータイ あつめタイ\(^o^)/」のようにタイトルに顔文字が使われたり、テーマソングに初音ミクが使われたことでも話題となっていた、このキャンペーンの集計結果が先日、経済産業省より公表された。

 まず、インセンティブ付与方法の検証として、携帯電話の買い替え時に使用済み端末を店頭に持ち込むと、抽選で1,000円〜50,000円の商品券が、合計15万8800人に当たるというものだった。また今回のキャンペーンには、抽選で商品券が当たることになっていた。これにより、全国1,886店から合計569,464台の携帯電話を集めたという。

 そして、回収された携帯電話には、金22kg、銀79kg、銅5690kg、さらに、希少金属のパラジウム2kgが含まれており、その価格は総額でおよそ7,900万円だった。これを1台あたりの金額に計算しなおすと、金が121.7円、銀が5.1円、銅が5.5円、パラジウムが5.7円で、合計138円となる。

 それでは、この事業の収支はどのような結果だったのだろうか。さらに詳細なデータも公開されている。

■リサイクルキャンペーンの収支データ
加工費・作業費             30.0円/1台
運送費                 5.0円/1台
店舗での人件費             66.7円/1台
チラシ印刷代              0.2円/1台
抽選にかかる費用などの運営事務費    126.4円/1台
広告                  29.5円/1台
商品券                 403.9円/1台

 これらを合計すると、今回のキャンペーンで、携帯電話1台当たりのコストは、661.7円かかっていたことになる。それに対して、1台あたりの売却代金は138円。つまり、1台あたり523.7円のマイナス、合計では約2億9800万円の大赤字となっている。

 しかし経済産業省は、「コストのうちおよそ85%が、商品券やキャンペーンの運営経費なので、実質的な回収・処理費用は1台当たり101.7円となり、差し引き1台あたり36.3円の金属売却益が生じる」との報告をまとめた。

 そのうえで、「1年間継続して実施する場合について計算すると、損益分岐点を上回るための回収台数は約1,085万台となり、さらにこの回収台数を確保するためには、9,836店舗の協力が必要という試算結果となったとし、これは現行の携帯電話販売店舗数(約13,000店舗)の8割弱となり、少なくとも回収シミュレーション上は、事業継続可能性がある」と結論づけた。この事業は、平成21年度の補正予算事業として行われた。

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