落合博満氏(現中日ドラゴンズ監督)といえば、選手時代は3度の三冠王。監督に就任してからは一年目にしてチームを優勝に導き、6年間で3度の日本シリーズ出場、そして日本一。この記録をみたら、誰もが名選手、名監督と呼ばざるをえない野球人です。それなのに、落合氏は誰もが憧れるような選手とはちょっと違いますよ。ファンやマスコミに無愛想、名球界入りの拒否とあくまで俺流。

 しかし、テリー伊藤氏はそんな落合氏を「落合こそ混迷日本を救う新時代リーダー」と著書『なぜ日本人は落合博満が嫌いか?』で断言しています。根拠は落合氏が歩んできた道にあるようです。

 落合氏は当時マイナーチームだったロッテ時代、三冠王を獲得。人気チームの選手が束になってもかなわないような実力者でした。にも関わらず、「スター」というものとは無縁。その後、憧れていた「太陽の人、長嶋茂雄」氏の推薦で巨人入りするも、清原氏が活躍するのを見届けると、「太陽が曇る顔をこれ以上見たくない」と自分が活躍できるチームを求め、華やかな巨人をあとにしました。

 「『あぁ、俺はやっぱりミスターとはちがう星の下に生まれたんだろうか』、そんな思いがあったのではないか」。その時の落合氏の心境をテリー氏はこう分析しています。マイナーから始まり華やかな舞台に立つもマイナーへ。しかし、望んだ環境でなくてもそこで文句をいうのではなく、イブシ銀の輝きを放っていたのが落合氏のカッコイイところなのだとテリー氏は話します。

 初めからマイナー志向の人はいません。誰だって華やかに生きたいはず。長嶋氏のように輝きたいはず。でもそれは一握りの人が許されること。そして不況の現代、格差社会だからこそ好んだ環境ではなく、いたしかたなくその環境におかれた人も多いはず。そんな時代に私たちに必要となってくるのは、そこで戦い抜ける"落合力"なのかも知れません。



『なぜ日本人は落合博満が嫌いか?』
 著者:テリー 伊藤
 出版社:角川書店
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