高所得転職者の入社前調査 〜その知られざる実態〜 第6話
入社志望者の借金は? 素行は? 経歴は本当?
などなど、採用企業が本気でお金をかければ調べられないことはありません。

高額所得者を雇うからこそ、志望者への調査は仔細に渡ります。調査の現場では、果たして何を調べられているのでしょうか?その方法とは一体どのようなものでしょうか?

本シリーズでは、実際にあった入社前調査の実例を、現役探偵が語ります。




先日、某製薬会社の人事担当者から「ある採用候補者の家族構成を調べてくれ」という依頼が入りました。家族調査は研究所を所有しているようなメーカーからの依頼が多いのですが、これが調べるにはなかなか厄介な依頼なのです。

この調査依頼を真に受けて「はい、彼にはご両親とお姉さんがひとりいます」などと報告するようでは探偵失格です。この依頼の真意は「候補者の身内に同業他社や反社会的勢力の人間はいないか」を知りたいわけです。

表立って「アナタのお兄さんは富○通にお勤めみたいだから不採用!」と言えたら採用担当者の皆さんもスカッとするのでしょうが、探偵からの調査報告の際に「危ねえ危ねえ」と苦笑いするだけに留めています。


情報漏えいの可能性が考えられる候補者を除外する
もうお分かりだとは思いますが、情報漏えいの可能性が考えられる候補者を除外するためには、こういうアプローチの調査も必要なわけです。いくつかの省庁でも新卒採用時に同様の調査は行われていますが、この仕事は民間の探偵社には回ってきません。

いくら候補者にその気がなくとも、彼らがよろしくない身内に利用されてしまう可能性は否定できませんし、やる気に溢れた候補者がいつ何のきっかけで豹変しないとも限りません。

さて、ここから調査に入りますが、今回のご依頼では50万円の予算をいただきましたので、徹底的に調べました。候補者の両親と兄弟はもちろんのこと、妻の兄弟・叔父・叔母・兄弟の夫や妻と、調査は総勢10名に及び、調査の場所も全国各地へと広がっていきました。
直接自宅に行けば色々なものが見えてくる

調査方法は最初に候補者の家族構成を調べるところから始まります。実家暮らしの場合、直接自宅に行けば結構色々なものが見えてくるものです。父親世代はまだ近所付き合いもあるので、隣の家にでも訊けば勤務先ぐらいはすぐにわかりますし、2007年11月の法改正以前であれば、自宅に停まっている車の所有者と使用者の名前は陸運局に行けば1時間程度で誰でも簡単に調べられました。

同居家族の勤務先については、早朝からスーツ姿の見習い探偵がスタンバイし、勤務先まで尾行します。毎朝の通勤で「尾行されてるかも」なんて考える人はまず居ませんし、万が一バレそうになったとしても、「知らない奴に尾けられたから遅刻しました」なんて言い訳ができるはずもなく、結局は勤務先に入っていきます。

それでは、同居していない家族の存在はどうやって調べるか。採用担当者が全てを把握していることはまずありませんので、これは公文書を使って調べていくしかありません。具体的にいえば「戸籍」「住民票」を使用します。

これらの書類から家族構成、現住所を把握し、時には電話番号を調べて電話口で本人から直接職業を聞き出したり、場合によっては現地に飛んで確証を掴んできます。

戸籍・住民票から読みとれることは非常に多岐に渡るため説明も長くなるので省略しますが、「戸籍を洗ってくれ」という調査もありますので、「ハーバード白熱教室」のように次回との関連を匂わせつつ、来週に続けさせていただきます。

■著者プロフィール
木島球六(きじま・きゅうろく)(仮名)
大学卒業後、某酒造系メーカーに就職。営業マンとしてそこそこの実績をあげていたが、だいぶ仕事に飽き始めていたところ、ある日ポストに入っていた「探偵募集」のチラシが目に入る。興味本位で探偵事務所を訪問してから早10年。今では事務所で一番のベテランとなっている。年間250本の調査依頼をこなす傍ら、採用責任者として年間50人以上の探偵志望者の面接も行っている。



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