“ゴルゴ13”生みの親、さいとう・たかをの自伝が発売

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 『ゴルゴ13』の生みの親であり、“劇画の父”であるさいとう・たかを氏の自伝『俺の後ろに立つな』(これはゴルゴ13の有名なセリフでもある)が今月23日、新潮社より刊行された。

 『ゴルゴ13』といえば、連載開始から40年以上休載なしで続いている“モンスター作品”である。かつての総理大臣・麻生太郎氏も“国際情勢がわかる”と愛好しているほど、政治・外交に深く切り込んだ、スリリングなストーリー展開に魅了されているファンは多い。

 しかし、これだけ戦争や諜報、紛争が題材として取り上げられているにも関わらず、さいとう氏本人は国際情勢に関して特別詳しいわけではない。何も知らない方が脚本家の書いたものに自由に注文をつけられるという理由で、テレビや新聞で報道されている程度の情報しか持っていないのだそうだ(さいとうプロは分業制で、脚本担当と劇画担当は別)。
 あえて知識をつけずに各部門の担当者の仕事を詰めていく、というこのスタイルも『ゴルゴ13』が連載開始から休載なしで40年以上続いてきた要因の一つと言えるだろう。

 それにしても、40年も続くとネタがなくならないのだろうか?とは誰もが感じる疑問だが、さいとう氏はこの点についても独特の持論を持っている。

 そもそも物語というのは、シェイクスピアが書き尽してしまったと私は思っている。それだけに余計なことには手を出さない。(『俺の後ろに立つな』68pより)

 根本から新しいものを作ろうとするのではなく、ある程度パターン化された物語をどうアレンジし、枝葉をつけるかが重要で、そのためのネタはなくなることがないというのである。

 この意見が賛否両論起こる類のものであることは承知だが、長年にわたって創作活動を続けてきた者にしか辿り着くことのできない、一つの達観であることは疑いようがないだろう。

 『俺の後ろに立つな』には、さいとう氏の半生はもちろん、同氏の創作論や、その大きな糧となっている映画について、また教育論まで多岐にわたって書き綴られている。
 筆者のような“ゴルゴマニア”でなくとも楽しめる内容であることは保証してもいい一冊である。
(新刊JP編集部/山田洋介)


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