タイソン・グリフィンが積極的に前に出てくるなら、五味の勝機は高まると思われるのだが

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8月1日(日・現地時間)にカリフォルニア州サンディエゴ・スポーツアリーナで行なわれるUFC on Versus「JONES vs MATYUDHENKO」で、五味隆典の対戦相手がジョー・スティーブンソンからタイソン・グリフィンに変更されることが、28日(月・同)UFC公式サイト上で発表された。

今週末、MGMグランド・ガーテンアリーナ大会に出場する秋山成勲の対戦相手がヴァンダレイ・シウバからクリス・レーベンに変更という事件が起こったばかりだが、UFC2戦目を迎える五味の身にも同じことが起きた。

そもそも、五味が出場するイベントは、開催地がユタ州ソルトレイクシティから、カリフォルニア州サンディエゴに変更されるという発表がすでにあり、開催地に続き、対戦相手と二重の変更ということになる。

ただし、開催地に加え、この対戦相手の変更も五味にとってはポジティブな要素と捉えることができる。スティーブンソンはグラップリングのスペシャリスト。打撃で勝負したい五味にとって、その打撃をかわして抜群のケージ・レスリングから、寝技という展開は、もっとも苦手とする試合展開を強いられたはずだ。

一方、タイ・グリといえば打撃ができて、レスリングも柔術も使いこなすタイプだが、スタンドの展開をより望む傾向にある。7月12日のUFC114でエヴァン・ダナムとの同門対決に敗れた試合でも、15分間のスタンドの攻防が続いた。

もちろん、五味を相手にするということでテイクダウンから寝技の攻防を早々に仕掛けてくることも考えられるが、そのテイクダウンの奪い方も打撃を見せてからの仕掛けになる。五味は得意とするスタンドの展開で、タイ・グリの仕掛けを見極め、得意とする――倒されないで上を取るレスリングに磨きを掛けてほしい。

3月のケニー・フロリアン戦で完敗を喫した五味にとって、UFCライト級戦線で名が有り、手が合うと予想されたのはこのタイ・グリとクレイ・グイダの2 人。2年前に専門誌の取材で、ヴァンダレイ・シウバに会うためにエクストリーム・クートゥアーを訪れた五味は、この時、タイ・グリとも肌を合わせている。皮膚感覚で相手の技量を図ることができれば、ケン・フロ戦のような精神的準備不足もなくなるだろう。

五味にとって、思わぬチャンスが飛びこんできた、タイ・グリとの対戦いえるが、注意すべきは頭の高さが変わらないパンチとテイクダウン、そしてローの仕掛けだ。打ち合いでなく、打ち勝つ術を少しでも身につけ、UFC、いや世界のライト級戦線に留まってほしい。

また、同大会のラインナップも若干の変更が見られる。ライト級のポール・ケリー×ジェイコブ・ヴォルクマンがUFC116から、ダレン・エルキンス× シャーウス・オリヴェイラ戦はTUF11フィナーレから、同イベントにスライドされている。

さらに、5月30日に修斗世界ウェルター級(※70キロ)の王座防衛戦成功後に、タイトル返上とUFC出場を明言したノヴァウニオンのヴィアリー・シケリム・フレイラが、同イベントのチアゴ・タバレス戦でオクタゴン初陣を迎える。

奇しくも五味は修斗世界ウェルター級代5代王者で、ヨアキム・ハンセンに敗れ王座陥落。その後、現在のシケリムの同門ヴィトー・シャオリン・ヒベイロ、川尻達也、中蔵隆志を経て、シケリムが昨年の10月30日に11代王者に輝いている。

長いリーチを生かしたパンチと、腰の強さに定評があるシケリムだが、そのパンチはややフック系で、ガチガチのボクシング+レスリング系米国人ファイターには、やや旗色が悪いかと思われる。

そんななか、今回の対戦相手は同じブラジリアンのタバレス。テイクダウン崩れから、ポジションを取る妙技を警戒すれば、戦いやすい相手とのUFCデビュー戦といえる。最近、70キロでは苦戦を強いられている名門ノヴァの軽量級ファイターたち。シケリムが修斗の勢いを持ちこむことができるか、岡見&五味同様、日本枠として注目の一番だ。