ドイツがイングランドを破ってから2時間半ほどしてに行われたアルゼンチン対メキシコの一戦は、誤審から試合が動いた。

メキシコはしっかりとした守備から攻撃へという転換が早く、前半の始まりはチャンスを多く作っていた。8分には左サイドバックのサルシード(PSV)のロングシュートがバーに当たり、9分のグアルダード(デポルティボ)のシュートはGKロメロ(AZ)にふさがれてしまう。

一方のアルゼンチンは、メッシ(バルセロナ)が2,3人に囲まれて自由にさせてもらえず、大きなチャンスにはならない。しかし、サッカーの神はアルゼンチンに悪戯心を発揮する。26分にメッシがボールを持ち込みシュート、GKペレス(チアバス)が弾くがボールはメッシに。メッシはそれを前にいたテベス(マンチェスターC)にループパス、テベスは頭でゴールを決める。だが、テベスは明らかにオフサイド。副審のポジションが悪かったために見逃され、アルゼンチンは先制点をゲットした。

さらに33分には、メキシコのDFオソリオ(シュトゥトガルト)がボールコントロールをミス、すかさずイグアイン(レアル・マドリー)がボールをさらいGKもかわして、無人のゴールにパス。2点目が決まった。メキシコは44分にマルケス(バルセロナ)、45分にエルナンデス(グアダラハラ)と良いシュートを打つが、アルゼンチンのゴールを割ることはなかった。

後半に、メキシコはFWをバウティスタ(グアダラハラ)から若きバレーラ(プーマス)に交代。メキシコがボールを支配しているが、3点目もまたもアルゼンチンだった。52分にテベスが目の覚めるようなミドルシュートを決めたのだ。疑惑のゴールを払拭する素晴らしいもので、試合の主導権は完全にアルゼンチンのものとなった。

メキシコはそれでも攻め、ようやく71分にエルナンデスが素晴らしいゴールを決めて1点を返す。だが、ゲームの趨勢を変えることはできなかった。アルゼンチンはしっかりと守り、ときおり攻め、選手を交代し、時間を使う。結局3−1でタイムアップを迎えたが、試合の雰囲気を壊さずに試合を支配するテクニックはさすがと思わせるものがあった。

次はドイツ戦だが、ベスト8の戦いでは、あまりにももったないものになりそうだ。 

◇アルゼンチン 3−1 メキシコ
[得点] 26分:テベス、33分:イグアイン、52分:テベス、71分:エルナンデス(メ)

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