決勝トーナメント1回戦2日目の第1試合は、ドイツとイングランドという宿敵同士の対戦となり、またもや因縁を感じさせる試合となった。

先制したのはドイツ。20分にGKノイアーのゴールキックに反応したクローゼがアプソンを振り切り詰め込んで先制。リスタートから一気にゴールを奪い、これでクローゼはワールドカップ通算12ゴール目となる得点をあげた。32分には右サイドの崩しからミュラーが折り返し、ポドルスキが左足一閃。2−0とリードを広げ、ドイツが試合を優勢に進めていく。

反撃に出たいイングランドは37分、セットプレーからジェラードのクロスをアプソンがヘディングで沈め1点差とする。勢いづいたイングランドはその1分後、ランパードが放ったループシュートがバーに当たりそのままゴールラインを割る。しかし、主審はノーゴールの判定。同点になったはずのゴールはまさかの大誤審で認められず、イングランドの選手たちは気持ちを切り替えて後半戦へ。

後半開始から攻勢をかけるイングランド、52分にはランパードの強烈なフリーキックがバーを叩く。ドイツの守備が緩み始め、ルーニーがフリーでボールを貰う場面も増えるが、期待のエースはチャンスメイクはするも肝心のゴールを奪えない。

チャンスを決め切れないでいたイングランドに対し、67分、ドイツはランパードのフリーキックが壁に当たり、こぼれたボールから壁に入っていた3人がスピード溢れるカウンターを仕掛ける。ミュラーからシュヴァインシュタイガーへつなぎ、ドリブルキープからディフェンスを引きつけラストパス、最後はミュラーが右足を振りぬき、ドイツに3点目。イングランドを突き放す。70分にはまたもカウンターからエジルが抜け出し、最後は冷静に股抜きパスで中へ折り返すと、長い距離を走ってきたミュラーが落ち着いて決め、試合を決定付けた。

決勝トーナメント1回戦注目のカードとなったこの試合は、グループリーグで順当に勝ち点を積み重ねたドイツがチームの完成度を改めて示す形になった。一方でイングランドはリーグ戦から不安視されていたディフェンスラインの不安定さを露呈し、爆発が期待されたルーニーもノーゴールのまま大会を去ることになった。

ドイツは準々決勝で、この日の第2試合、アルゼンチン対メキシコ戦の勝者と対戦する。

◇ドイツ 4−1(2−1) イングランド
[得点] 20分:クローゼ、32分:ポドルスキ、37分:アプソン(イ)、67、70分:ミュラー

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