このところ新たなビジネスモデルとして話題の「フリーミアム」。フリーミアムとは、無料の意味を持つ「フリー」と、割増金の意味を持つ「プレミアム」を足した造語のことで、平たく言えば、無料を入口にして、最終的にはどこかから利益を得る商法のこと。

 代表的な例としては、基本サービスは無料で、高機能な追加サービスに対して課金するmixiプレミアムやYahoo!プレミアム、無料で配られるひげ剃り(替え刃の売上で利益を出す)、最初の数ヶ月を無料でいいからと勧誘する新聞などが挙げられます。一時期話題になった、1円でパソコンを売る代わりに、通信機器を長期契約させるサービスも、フリーミアムと言っていいでしょう。

 なぜ人はこうも「無料」という言葉に惹かれてしまうのでしょうか。脳機能学者、計算言語学者、認知心理学者、分析哲学者とさまざまな肩書きを持つ苫米地英人さんは、著書『FREE経済学入門』のなかで、なるほどと思わせる持論を展開しています。

 それによると、人にはそれぞれ固有の「ホメオスタシスレベル」というものがあり、人間が汗をかいたりすることで体温を一定に保つように、ホメオスタシス(恒常性維持機能)の働きによって、一定の状態を保とうとするそうです。

 このホメオスタシスレベルは、金銭的な状態にも当てはまり、貯金が10万円あれば安心という人もいれば、常に1000万円ないと安心できないという人もいます。前者のようなホメオスタシスレベルの人は、貯金を好まず、大金を手にしてもすぐに使い込んでしまうとのこと。そのため、金銭的なホメオスタシスレベルを崩さない「無料」となると、私たちはついつい飛びついてしまうのです。

 このように人間が抗えない心理を突いて、いま最も注目されているフリーミアムですが、苫米地さんは通貨や税金の仕組みさえもフリーミアムの一種だと言います。世界中を支配するフリーミアムの本当のすごさとは一体なんなのか。今後のビジネスを考えるうえで、「無料」の力を学んでおくとこは欠かせません。



『フリー経済学入門』
 著者:苫米地英人
 出版社:フォレスト出版
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