「清算」か、それとも「再生」か?倒産後した企業のその後

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 やはり、景気低迷の影響からか、企業の倒産件数が増加しています。
 2006年が13245件、2007年が14091件、2008年が15646件、2009年は少し減りましたが、それでも15480件と、高い水準となっています(負債額1000万円以上に限定、東京商工リサーチ調べ)。
 
 ところで会社が倒産すると、清算という方法も含めて企業再生が行われることになるのですが、その際可能性としてどのような手法があるのかはあまり知られていません。
 今回は『決断と再生―中小企業をどん底から救った男たち』から、企業再生の様々な手法を紹介します。

◇ ◇ ◇

■企業を清算する場合
 企業再生には大別して2つの方法があります。
 その一つ目が、企業を「清算」する場合で、「破産」「特別清算」「清算型任意整理」がある。
 この方法を選択すると、会社は営業活動を停止し、その会社が有するすべての財産を評価、債務の弁済に充てることになります。

■企業再建を目指す場合
 一方、企業の再建には「会社更生」「民事再生」「再建型任意整理」などの方法があります。
 こちらでは事業再建計画に従って、営業活動を継続し、債務の一部免除や弁済期の繰り延べを行いながら会社の建て直しをすることになります。

■法的整理か、任意整理か?
 企業再生の方法は二通りと書きましたが、「清算」にも「再建」にもそれぞれ、法的整理か任意整理かという選択肢が存在します。
 こちらは文字通り、裁判所を通すか通さないかということです。

・裁判所を通さない場合
 裁判所を通さない場合は「清算」も「再建」も「任意整理」(清算型任意整理・再建型任意整理)ということになり、債務の処理は債権者との話し合いをベースに行われます。

 裁判所を通さないことのメリットとしては、
1. 関係者同士の合意に基づいた方法であるため、再建型任意整理の場合は柔軟な再建計画を立てることができること
2. 裁判所にお金を払わなくていいこと。
3. 法的手続きがないので、関係者による秘密保持性が高いこと

 などがあげられます。

・裁判所を通す場合
 裁判所を通す場合は、「清算」の場合は「破産」か「特別清算」となります。
 そして、「再建」の場合は「会社更生」か「民事再生」となりますが、この2つには、会社更生法が株式会社のみ適用可能である点や、その後の事業経営者(民事再生は原則的に経営者、但し監督者がつく。会社更生は裁判所が選任した管財人)など、違いがあります。

 裁判所を通すことには、処理の公平性と確実性が担保されるというメリットがありますが、裁判所にお金を払わなければならない、手続規定を逐一守らなければならないという煩わしさもあります。

 『決断と再生―中小企業をどん底から救った男たち』には、倒産のピンチから経営を立て直した複数の中小企業のエピソードが掲載されています。
 「会社更生」、「民事再生」など、普段馴染みのない言葉に触れて、経営者達の気持ちに浸ってみるのもいいかもしれません。
(新刊JP編集部/山田洋介)

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