(写真)勝訴のあと涙ながらに語る遺族=22日、大津地裁

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 滋賀県湖南市の住宅設備機器メーカーTOTO滋賀工場で勤務中に死亡した甲賀市の派遣社員、西野尾茂信さん(当時39歳)の遣族が、労働実態はTOTOに責任のある「偽装請負」で、安全対策も不十分、事故後の対応も不誠実と損害賠償を求めていた裁判で、大津地裁(石原稚也裁判長)は22日、訴えをほぼ認め、TOTOと派遣会社に連帯して6140万円を支払えと命じました。

 茂信さんは2007年5月14日、機械の復旧作業中に頭を挟まれて死亡。連絡が遅れ、家族が駆けつけたときは亡くなっていました。父末吉さん(74)ら遺族はTOTOなどを訴え、同社は「請負業者の指揮監督下の作業でわが社に責任はない」と反論していました。

 判決は、TOTOに「実質的な指揮監督関係が存在する」と事実上の「偽装請負」を認めました。また被告が主張した茂信さんの「過失」では、「マニュアルを定めながら、生産効率を追い求めるあまり、これに反する方法がとられていることを放置してきた被告らの態度こそ非難されるべき」だとしました。

 父末吉さんは「派遣労働者だからといって、二度とないようにお願いしたい。大きな会社なのだから。TOTOは仏前で謝罪してほしい」、母秀美さん(68)は「この判決であの子が帰ってきたらうれしいが…」と、涙をぬぐいました。

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