新卒学生対象の就職採用説明会に異変が起きている。予約はするが、「ドタキャン」する例が急増しているのだ。申し込みの半分程度しか来ないこともあるようで、企業の採用担当者も「予約できない学生が結構いるのに」と困惑している。

   「例年『ドタキャン』はあるが、2011年卒は特に多いという印象だ」

   東証一部上場の中堅鉄鋼メーカーの人事担当者は語る。2010年2月頃から採用活動を行っているが、20人の枠を用意してもその半分、10人しか説明会に来ないこともあった。「困るけど仕方ない」と、半ば諦め状態だ。

キャンセル手続きなし、が多い

   ネット上には、こうした「ドタキャン」に困惑する担当者の嘆きがたくさん見られる。

   東京や大阪で家事代行業を展開しているベンチャー企業は、新卒採用人事ブログに「会社説明会と他者へのマナー」という記事を掲載、「連絡なしでの不参加」が目立つと明らかにしている。

   1次選考や2次選考を説明会より優先させることは理解できる。それ自体は問題ないが、キャンセル手続きなしの不参加は良くない。「そんな人は、私だったら採用したくはありません。自分の行動が他人にどういう結果をもたらすのかを考えられるのが、一流の社会人であり素敵な大人としての在るべき姿でしょう」と書いている。

中々内定が出ないので学生も焦る

   長野県で廃液リサイクルを行っている中小企業も社長ブログで、ドタキャン学生が多く、説明会の平均出席率は65%だとしている。学生には説明会予約画面をみたら「とりあえず予約だけして席を確保」しようする傾向があるという。

   就職情報会社の担当者は、2011年卒採用でドタキャンが増えている理由に、就職活動の激化があると指摘する。中々内定が出ないので学生も焦っており、エントリー数も例年より約40%も多いという。

「掲載すると、全然名前の知られていない中小企業に『こんなにも!』と思うほどエントリーが殺到します。ですが、学生も企業をランク分けしています。説明会はとりあえず予約するのですが、他の優先度の高い企業の説明会や選考があると、キャンセルを忘れてそっちに行ってしまうようです」

   企業の方も怒り心頭のようで、ドタキャンした学生には次回から案内メールを送らないようにして欲しいという要望もあるという。

「企業には、ドタキャンを見込んで、最初の定員人数を多めにすることをお勧めしています」

ということだった。

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