弁護士でさえ資格だけでは食えない時代 石丸弁護士のPR戦略とビジネスモデルを見習え!
あるときはイケメンコメンテーターとして、あるときは370名を超える大事務所の経営者として、さまざまな視点から注目を集める石丸幸人弁護士。前編では、働きながら司法試験に合格を果たした独自の勉強法についてうかがった。後編では「資格をとっても食えない時代」に、どう生き残るか。経営者としてのビジネス戦略に迫る。
■特殊な業界でいきなり起業はリスクが高い イソベンからスタート
司法試験合格後、1年半の司法修習を経て弁護士登録。まずは、東京都内の大手綜合法律事務所に入所した。「イソベン」としての弁護士人生のスタートである。
「もちろん当初の目的どおり、起業を目指していました。しかし、弁護士という特殊な業界でいきなり起業はリスクが高いので、まずはイソベンとして経験を積もうかと。ファイアーウォールの内側に入ってみて感じたことは、予想以上にマーケット志向が欠如しているということ。たとえば顧客を見つけるにしても、飲み会とゴルフとロータリークラブからばかりなんです。こういった現状を目の当たりにして『これはダメだ』なと(笑)」
そこで石丸氏は、弁護士業務を広く展開するためのビジネスモデルを模索し始める。まず調査したのは、業務の絞り込みだ。
「弁護士の仕事は、定期的に業務が舞い込む税理士などとは異なり、スポット業務がほとんどです。今日は仕事があっても、明日どうなるかはわかりません。だからこそ独立に二の足を踏んでいる弁護士も多いのですが、どの分野にどれだけニーズがあるか見極め、ニーズのあるところを重点的に扱えばビジネスとして成立するのではないかと考えました」
■業務分野を絞り込んで専門性をアピール
具体的にはまず、司法統計などを参考に、どういった案件が多く取り扱われているかリサーチした。たとえば離婚という分野なら、毎年何件の離婚件数があり、そのうち何件が調停にかけられているのかをチェック。調停を行うには弁護士が必要なので、そこでニーズを測ることができる。さらに、調停までの解決時間、法律事務所の費用設定、弁護士や従業員の人件費、解決までの時間、競合状況も調べた。これを、弁護士がかかわるあらゆる分野で確認していったのだ。
「そのなかで見えてきたのが、債務整理の分野と中国へ進出する企業の法務サポートの2つで、結局は前者を選びました。弁護士によっては、さまざまな業務を手がける人もいます。他の分野の案件を取りこぼすのはもったいないと思うのでしょう。しかし、民事裁判や刑事裁判、国際事件も扱う弁護士が並んでいた場合、利用者は誰を選ぶか決め手がない。病院に例えるなら、外科も内科もやりますよと言っていることと同じです。これだと不安を覚えるでしょう。『何が専門分野なんだ』って。
私のような駆け出しの弁護士にとっては、業務分野を絞り込んで専門性をアピールする方が得策だと考えました。その方が依頼者も選択しやすいですよね。利用者目線で考えた結果、債務整理分野を中心に事業展開するということにたどり着いたわけです」(次ページへ続く)
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CAREERzine編集部[著]
■特殊な業界でいきなり起業はリスクが高い イソベンからスタート
司法試験合格後、1年半の司法修習を経て弁護士登録。まずは、東京都内の大手綜合法律事務所に入所した。「イソベン」としての弁護士人生のスタートである。
「もちろん当初の目的どおり、起業を目指していました。しかし、弁護士という特殊な業界でいきなり起業はリスクが高いので、まずはイソベンとして経験を積もうかと。ファイアーウォールの内側に入ってみて感じたことは、予想以上にマーケット志向が欠如しているということ。たとえば顧客を見つけるにしても、飲み会とゴルフとロータリークラブからばかりなんです。こういった現状を目の当たりにして『これはダメだ』なと(笑)」
そこで石丸氏は、弁護士業務を広く展開するためのビジネスモデルを模索し始める。まず調査したのは、業務の絞り込みだ。
「弁護士の仕事は、定期的に業務が舞い込む税理士などとは異なり、スポット業務がほとんどです。今日は仕事があっても、明日どうなるかはわかりません。だからこそ独立に二の足を踏んでいる弁護士も多いのですが、どの分野にどれだけニーズがあるか見極め、ニーズのあるところを重点的に扱えばビジネスとして成立するのではないかと考えました」
■業務分野を絞り込んで専門性をアピール
具体的にはまず、司法統計などを参考に、どういった案件が多く取り扱われているかリサーチした。たとえば離婚という分野なら、毎年何件の離婚件数があり、そのうち何件が調停にかけられているのかをチェック。調停を行うには弁護士が必要なので、そこでニーズを測ることができる。さらに、調停までの解決時間、法律事務所の費用設定、弁護士や従業員の人件費、解決までの時間、競合状況も調べた。これを、弁護士がかかわるあらゆる分野で確認していったのだ。
「そのなかで見えてきたのが、債務整理の分野と中国へ進出する企業の法務サポートの2つで、結局は前者を選びました。弁護士によっては、さまざまな業務を手がける人もいます。他の分野の案件を取りこぼすのはもったいないと思うのでしょう。しかし、民事裁判や刑事裁判、国際事件も扱う弁護士が並んでいた場合、利用者は誰を選ぶか決め手がない。病院に例えるなら、外科も内科もやりますよと言っていることと同じです。これだと不安を覚えるでしょう。『何が専門分野なんだ』って。
私のような駆け出しの弁護士にとっては、業務分野を絞り込んで専門性をアピールする方が得策だと考えました。その方が依頼者も選択しやすいですよね。利用者目線で考えた結果、債務整理分野を中心に事業展開するということにたどり着いたわけです」(次ページへ続く)
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CAREERzine編集部[著]
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