「日本一のおかき処」として最近人気の高い播磨屋本店という会社。この播磨屋はとても面白いサービスをしています。主力商品である数々のおかき類を、なんと「無料で食べられる」のです。

 公認会計士の柴山政行氏が、ネットで「無料お試しセット」というものを申し込んでみると、3日後に届いたのは、とてもお試しとは思えない立派な包装に、バリエーション豊かな数々の品......。全部で10種類ほどあり、ボリュームもあり普通に買ったら1000円ほどしそうなもの。これが、送料160円のみで商品のお代は一切いらないのです。

 そして、数日後、またもや商品が播磨屋から届いたといいます。

 これは柴山氏の奥さんが注文したもので、みごとに「フリー経済の術中」にはまってしまったそうです。このように、ネットから無料お試しセットを申し込むものは他にもありますが、播磨屋本店のビジネスで興味深いのは、この無料試食ができる専門ショップを銀座の一等地に出店していることです。

 「フリーカフェ播磨屋ステーション」と呼ぶらしいのですが、そのコンセプトが秀逸。「菓子業界有数のエクセレントカンパニーである播磨屋本店が、社会と人々への利益還元活動の一環として行っている、ユニークなボランティア活動」だそうです。

 播磨屋の無料カフェは、三越から歌舞伎座に向かって晴海通りを南下していくと、その途中にあります。ビルの2階がカフェになっていて、フロアに入った瞬間は横幅が狭いため、少し窮屈な印象を受けますが奥行きがあるので、かなりの数のお客さんが来店し、コーヒーとお菓子を楽しんでいました。平日の昼間にもかかわらず、空席がほとんどないくらいに盛況です。店内もきれいですし、帰り際にお土産として色々なお菓子を買って帰ることができます。

 「無料サービスでも、けっして手を抜かない......」。今は「おまけを無料サービスに使いまわす」というレベルの意識だと、目の肥えた消費者を納得させることはできません。主力商品を無料サービスに組み込む、というのは播磨屋の例を見てわかるとおり、現在のビジネスにおける1つの重要な要素なのかもしれません。

 銀座に無料カフェを設置したことによる広告効果は抜群です。社会貢献と銘打つコンセプトはもちろんですが、店内の雰囲気が明るく、イメージもすごくいい。銀座という舞台で「フリー経済」を体現している数少ない会社だといえます。

 いまもっとも使える「フリー経済学」は、高級エリアの銀座にも広がっているのです。



『銀座を歩けば経済がわかる! 』
 著者:柴山政行
 出版社:フォレスト出版
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