19日に行われた南アフリカ・ワールドカップ、グループリーグ第2戦、オランダ対日本の一戦は、1−0でオランダが勝利を収めた。最後に勝利を導いたのは、オランダMFヴェスレイ・スナイデル。53分、エリア外からの彼のシュートが、GK川島永嗣のひどいミスもあり、オランダにグループ首位へと導く白星をプレゼントした。

ただ、オランダにとっても簡単な試合ではなかった。日本の岡田武史監督は、完全にコントロールした試合をするように選手たちに指示し、決勝点が決まるまでこの戦術は完璧に機能していた。

開始直後は素晴らしい試合になることを期待させ、オランダの選手たちも素晴らしかった。だが、それもすぐに変わる。オレンジ軍団はボールを回し、まったく障害もないままバイタルエリアまでたどり着くものの、そこから日本の選手たちがすべてを壊したのだ。岡田監督のチームは組織立っており、見事なまでに犠牲を払う用意ができていた。やはり日本だ。彼らはクレイジーなまでに走り、オランダのプレーの鍵となる瞬間、そのプレーを中断させた。

こうして、ロビン・ファン・ペルシやそのチームメートたちはナーバスになっていく。だが、それがガッツへ変わることはなかった。何かが足りない。気迫、ファンタジー、勇気だ。ビッグチャンスが訪れない。苦しみながら、オランダはファン・ペルシのシュートやディルク・カイトのオーバーヘッド、ラファエル・ファン・デル・ファールトの厄介なボールでゴールを狙うが、川島が汗をかくことはなかった。逆に、オランダGKマールテン・ステケレンブルフがセーブを見せることに。スピーディーな美しいプレーの最後に、松井大輔が放ったシュートを防ぐことになった。

いずれにしても、興奮することはまったくなく、ハーフタイムを迎える。

後半もオランダは変わらず、試合も変わらないかのようだった。だが、それは後半の8分までのこと。スナイデルの元にボールが渡ると、彼はトラップをせずに見事なパワーでシュートを放つ。川島は軌道にいたが、うまく手を出すことができず、ボールはゴールネットを揺らした。

これで試合が変わった。日本は前へ出ざるを得なくなり、大久保嘉人が3度連続でシュートを狙う。だが、彼が正確さを欠く一方で、ステケレンブルフは注意深かった。オランダもゴールに迫り、特に終盤はスナイデルに代わって出場したイブラヒム・アフェライがゴールを目指す。だが90分、最後にオランダを驚かせたのは、フリーとなった日本のFW岡崎慎司。だが、シュートはわずかにバーの上へと外れた。

オランダのマルク・ファン・マルヴァイク監督は笑っている。この後のカメルーン対デンマーク戦の結果次第で、早くもグループリーグ突破が決まる可能性があるからだ。一方、日本はモアテン・オルセン監督率いるデンマークとのグループリーグ第3戦にすべてを懸けなければいけない。