コカ・コーラvsペプシコーラ、たけのこの里vsきのこの山など世の中に骨肉の争いというのはたくさん存在していると思われますが、キュートなルックスに高い運動性能を持ち「ミニミニ大作戦」など数々の映画で有名なBMW・ミニが、伝説のスポーツカー・ポルシェ911に「ポルシェは気取ったヨワムシの車。文句があるなら全力でかかってこいや」と挑戦状をたたき付けました。

詳細は以下。
MINI USA | Facebook

ことの起こりはミニUSAが同社のFacebookアカウントにアップした、ポルシェUSAのデトレフ・フォン・プラーテン社長宛のビデオレター。社長ジム・マクドウェルが自ら出演するという異様に気合いの入ったもの。

YouTube - MINI vs Porsche


「ポルシェはいい車だ。例え髪の毛が少なくなっても、ポルシェに乗っていれば女の子の気を引くことができる。それは僕はよく知ってるよ。でもたった1つだけ分からないことがあるんだ……」


「それは『ポルシェはミニより速いのか?』ってことなんだ。」


「だから、ポルシェUSAのデトレフ・フォン・プラーテン社長、僕、ジム・マクドウェルは君に挑戦する。レースで決着をつけよう。どちらの車が速いのかそろそろはっきりさせようじゃないか」


「もし負けたらこの『僕たちはポルシェに勝てませんでした』Tシャツを着るよ。みんなの前でね。」


「でももしミニが勝ったら、この『僕たちはポルシェに勝ちました』Tシャツを着る」……というか着てるTシャツに「ミニ>ポルシェ」と書かれるなど微妙に変化しています。


「僕と君、1対1。みんなの目の前で決着をつけようじゃないか。もうニューヨークタイムズに全面広告も出した」


「6月21日、君の会社のすぐそばにあるロード・アトランタサーキットに来い。楽しもう」


これがニューヨークタイムズに掲載された全面広告。かなり過激です。


『ポルシェよ、本気で来い』

ポルシェ様

あなたは血統も評判もよく、カシミヤのセーターを肩に羽織っちゃっているようなオーナーの皆様にも恵まれております。それはまぁどうでもよろしい。

あなたの性能はもはや伝説ですが、私どもはちっとも恐れておりません。もうレストランの駐車場の一番目立つ場所にポルシェが置いてあるのに飽き飽きです。レースで決着をつけるしかありません。そう、ミニvsポルシェです。

1対1、みんなの前でケリをつけましょう。ポルシェは見かけ倒しじゃないってことを披露しに来てくださいよ。


こんなのも。「最強」ミニクーパー vs 「気取り屋」ポルシェ911。


この熱烈かつ挑戦的なビデオレターに対し、ポルシェからの返信メールはこんな感じ。
(PDFファイル)PORSCHE RESPONSE LETTER

ジムへ。

ポルシェの元従業員が今はミニの社長で、しかも1対1のレースを挑んできたということに私達はとても驚いています。ご存じのとおりポルシェにはこの60年間で2万8000勝というカーレースの歴史があります。最初の頃は強大な敵に無茶な挑戦をしたものです、だからあなたがたの今の気持ちはよく分かります。

しかし、これもご存じの通りポルシェは名誉やスタント、広告のためにレースをしてきたのではありません。すべては自分自身への挑戦のため、レースのすべてを次の車に生かすためです。このビデオを見れば私達の考えが分かって頂けると思います。

お誘いはとても楽しく愉快なもののように思いますが、私達はこれまでのやり方を変えません。是非、セブリングル・マンデイトナで、Tシャツや駐車場といったつまらないものではなくもっと大事な物を賭けて本物のレースをやりましょう。その時は歓迎します。なんならポルシェのオーナーさんの週末レースにも招待しますよ。

ロードアトランタのレース、楽しんできてください。

デトレフ・フォン・プラーテン


穏便な断りの手紙かと思いきや、文中で紹介されていた動画は結構過激な内容のもの。

「私達にとって『近所をちょっと運転する』というのはこういうことです」
YouTube - Racing. Not posing.


「『洗車する』といえばこう」


「これは「日曜の気軽なドライブ」です」


「そして、私達はチェッカーフラッグが好みです」


「ポルシェは『レーシング』育ち。『ポージング』は関係有りません」こちらも結構挑発的です。


このにべもない対応に「じゃぁ豪華賞品を出すから来ないか」と、さらに食い下がるミニの社長。

YouTube - MINI Response


ジャスティン・ビーバーのライブチケット(バックステージパス付き)やホームトレーニングセット(中古)、カシミヤのセーターなどを提示。


等身大ポップをミニUSAのロビーに1週間展示する、という条件もオファー。


さらにポルシェUSA本社の上空に飛行機広告を出してまでポルシェを挑発


「全力で来い、ポルシェ」


ミニUSAからの2回目のビデオレター以降、ポルシェは沈黙を保っている模様。ミニUSAはfacebook上で現在、ポルシェ911Sでミニクーパーに挑戦するドライバーを募集中。車両は貸与・持ち込み可ということでややあきらめモードです。


この一連のコンテンツはアメリカの広告代理店、BSSPが展開している新型ミニクーパーのキャンペーン。なのでインターネット上ではポルシェ参戦はないだろうという見方が大勢を占めていますが、ポルシェの広報担当スティーブ・ジャニス氏は当初「ポルシェはこれまで2万8千回以上レースに勝利しています。これはどんな自動車メーカーよりも多い数ですが……2万8千と1回目を獲りにいくのも悪くない。彼らの出方次第ですね」とメディアに語っていたことから、未だ可能性はゼロと言い切ることはできません。6月21日に何が起こるのかとても楽しみです。

また、ミニUSAは「ロッキーIV」のトレーニングシーンを忠実にパロディにしたムービーも公開。チャンピオン・ポルシェに挑戦するミニ・クーパーの特訓の様子を見ることができます。

Mini Rocky IV from FOD for MINI - Video


とある山の中に立つ納屋。


ミニクーパーはここで特訓を積んでいました。


目指すは打倒ポルシェ911S。ウェイトもパワーもミニを軽く上回る化物マシーンです。


納屋を見守る謎の人影。


どうやらポルシェから派遣され、ミニを監視するエージェントのようです。


突如飛び出して来たミニを慌てて追いかけます。


一方その頃、謎の研究施設では……


ポルシェ911Sが超科学的トレーニングを重ねていました。


ミット打ちをするミニクーパー。速さにどう関係してくるのかは不明です。


そりをひっぱって足まわりを鍛えるミニクーパー。これも原理はよくわかりません。


ポルシェ911Sも施設でトレーニングを重ねます。


重りを上げ下げする訓練。


ポルシェはラバーチューブを使ってドアを鍛えます。


負けじと丸太を運ぶハードトレーニング。


ポルシェのミット打ち。


「2150」という何を表すのかいまいちよく分からない数字を叩き出しました。


さらにポルシェはニトロでドーピング。チャンピオンに死角はありません。


科学の力で限界までパワーアップするようです。多分。


エンジンフードを鍛えるミニ。


ポルシェはトランクを鍛えます。場所は同じですが。


特訓も終盤。もうミニに追いつける者は誰もいません。


ポルシェも急勾配のランニングマシーンで追い込みをかけます。


山の頂上で雄叫び(ホーン)をあげるミニ。果たしてポルシェに勝てるのでしょうか。


・関連記事
ある意味世界で最も安全運転が可能な「スーパー足こぎポルシェ911」をDIYする - GIGAZINE

ポルシェ106台を乗せた列車が事故、被害額は1億2000万円以上 - GIGAZINE

ガスタービンエンジンで動作するポルシェやフェアレディZ - GIGAZINE

記事全文へ