もう、皆さんも気づいていると思いますが、世の中には情報があふれています。ボーっとしていると、情報洪水に飲み込まれそうです。言うまでもなく、圧倒的に増えた情報はインターネットによるもの。

 2009年7月に発表された、総務省「情報流通インデックス研究会」の報告書には興味深いデータが載っています。私たちの手元に届いた情報の量を「流通情報量」とし、そのうち情報の内容をはっきりと認知したものを「消費情報量」と呼び両者の関係を計測したもので、いかにインターネットによる情報量が増えたかがよく分かるものとなっています。

 電話、インターネット、放送、郵便、印刷出版、CD・ビデオ・ゲームソフトの6種類の「流通情報量」は、2001年に比べて2007年は平均1.6倍の伸び率でした。それに対してインターネットは35.7倍も伸びています。

 では、実際に私たちが情報を認知している「消費情報量」はどうでしょうか。ここでいう認知とは、受け止めて実際に見ること。インターネットの「消費情報量」は、2001年に比べて2007年は1.9倍。放送は1倍、その他は1倍以下ですからインターネットにアクセスする量は増えている、ということになります。
 
 とはいっても「流通情報量」は35.7倍。それに対する「消費情報量」は1.9倍。この差が、情報洪水となって私たちに押し寄せているわけです。情報が「洪水」を起こすほど簡単に手に入るようになったことで、今度は何を信用していいのか、分からなくなることも増えました。

 この問題をクリアするには「調べる技術」ではなく「調べる力」が要求されると、前・博報堂総合生活研究所所長
の関沢英彦氏が著書『調べる力』で指摘しています。インターネットが発達した今、Wikipedia、google検索、イメージ検索、Twitterフォロワーなど最先端の検索テクニックを駆使すればいくらでも情報は手に入る時代です。しかし、どの情報が真実で、どの情報が間違っているかの検証が難しくなっている時代でもあります。

 そんな時に起きてしまうのが、10人の人が企画書やレポートを作ったら10人とも同じ内容で、しかも間違っているところまで同じという、ありえない"奇跡"。信用できない情報だったら、ビジネスでは致命的な上に、誰でも手に入る情報の企画書なんてまったく迫力がありません。

 この問題をクリアするのに必要なのは最新の検索テクニックを駆使する「調べる技術」ではなく、正しいデータを見つけ出す「調べる力」。そこをクリアしてはじめて発想力、独創力、企画力、プレゼン力が向上すると関沢氏は述べています。



『「調べる力」』
 著者:関沢 英彦
 出版社: アスカ・エフ・プロダクツ
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