世の中にはあんな本やこんな本、いろんな本がある。そのテーマも十人十色。「感動したい本が読みたい!」「思いっきり怖い本を味わいたい」と思っても、 どんな本を選べばいいのか分からない! とお悩みの方も多いはずでは?
 そんなときにあなたの味方になるのが書店員さんたちだ。本のソムリエ、コンシェルジュとしてあなたを本の世界に誘ってくれる書店員さんたち。
 そんな彼らに、テーマごとにお勧めしたい本を3冊答えてもらう。

 いよいよ開幕するワールドカップにちなみ、6月のテーマは『仕事の極意はスポーツ選手から学べ、プロの極意がわかる3冊 』。
 今回は初登場!ジュンク堂書店新宿店の阪根さん。一体どんな3冊を選んだのか?


◆『プロフェッショナル』

著者:仁志敏久
出版社:祥伝社
定価(税込み):777円

 仁志と言えばビッグマウスと揶揄され上層部との衝突もしばしば。しかしこれはプロ意識の高さの表れでもある。そんな彼はとにかく野球エリート。常総学院→ 早稲田大学→日本生命/全日本選抜→巨人、そして巨人を去って横浜へ。木内監督や長嶋監督との出会いなど彼の経験した野球の世界は広く、話題が豊富。エリートと言えば聞こえは言いけれど、早稲田や巨人は伝統や組織の縛りが強く、実力を出し切れずに消えていく選手も多いなかレギューラーを守るのは大変なこと。会社の話に置き換えれば、中小企業は大変だけど、大手企業は大手企業なりの難しさがあるということ。その難しさがより顕著なスポーツの世界、仁志敏久から学ぶことは多い。(新刊の仁志敏久『反骨』双葉社もオススメ)

◆『世紀の発見』

著者:磯憲一郎
出版社:河出書房新社
定価(税込み):1470円

 磯は2009年上半期の芥川賞受賞作家であり、大手商社に勤めるやり手のビジネスマンであり、早稲田大学ボート部出身のスポーツマンでもある。ボートでは日本代表の選考合宿に行くほどのめり込んだらしい。ビジネスマンと言えば、余暇=ゴルフとすぐに思ってしまうのだが、「サラリーマンでもゴルフや英語の勉強など、仕事のほかに打ち込んでいるものはあるでしょう。僕の場合はそれが小説だっただけです」と言う。みんながやっているからではなくて、たまたま小説をやっているという。この感覚が素敵だと思う。「ビジネスパーソンよ!24時間働く必要なんてない!もっと自由であれ!」。私は個人的に、芥川賞受賞作の『終の住処』より『世紀の発見』の方が好きなので、こちらをオススメする。

◆『建築について話してみよう』

著者:西沢立衛
出版社:王国社
定価(税込み):1995円

 西沢は先日、建築界のノーベル賞であるプリツカー賞をパートナーの妹島和世と共に受賞した世界的な建築家である。西沢の優れた才能については本書をじっくり読んで理解して頂きたいが、私が注目したいのは、彼が学生時代かなりのゲーマーだったということだ。何を隠そう西沢は建築界きってのCADの名手であり、その土台をゲームで培っていたのだ。以前私は建築の仕事をしていたので言うと、建築デザインの現場では、オシャレな人よりもとにかく手が動く人、ゲーマーだったり、パソコンおたくだったり、プラモデルおたくだったり、そういう人の方がデザインは達者だったように思う。西沢のケースはスポーツからビジネスへの転身と同じく興味深い。その意味でも一読をオススメする。

◇   ◇   ◇

【今回の書店】
ジュンク堂書店 新宿本店


住所:東京都新宿区新宿3-29-1 新宿三越アルコット6〜8F
TEL:03-5363-1300
FAX:03-5363-1301

■フェア情報

老舗文芸誌もびっくりのクオリティ!!
ミニコミ誌《界遊004》発行記念フェア
『自動生成時代の表現』
7階人文書フェア棚で6月30日までやってます。
ぜひお立ち寄りください!!

■アクセス
JR新宿駅東口より徒歩3分ほど。

■営業時間
AM11:00〜PM9:00

ウェブサイト

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『書店員が選ぶ「わたしの3冊」』ブクナビにて配信中!
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