“許したゴールはすべて自分の責任” 日本代表GK・楢崎が語る失点の重み

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 サッカーは相手の陣地のゴールを入れ合い、得点を競い合う競技だ。しかし、手を使わずに足のみとなると、なかなか得点が入りにくい。野球では比較的珍しい1点差の勝負なども、サッカーの試合では当たり前である。

 FIFAワールドカップ南アフリカ大会開幕戦。南アフリカ1点リードで迎えた後半34分、ゴール前へのクロスパスを受けたメキシコ代表のラファエル・マルケスが放ったシュートは無情にもネットに突き刺さった。歓声が湧き起こるなかで、呆然とする南アフリカ代表のゴールキーパー。キーパーにとって“失点”とは取り返せないミスなのだ。結果的に1対1で南アフリカとメキシコは引き分けたが、いずれのチームのキーパーにとってもその1点は「悔やまれる1点」に違いない。

 日本にも失点の怖さをよく知り、“失敗の重み”と向き合う男がいる。2006年ワールドカップ・日韓大会の正ゴールキーパーで、今回を含めてワールドカップ4大会連続で日本代表に選出された楢崎正剛選手だ。

 ゴールキーパーとして圧倒的な安定感を持ち、172試合完封という日本記録を保持する楢崎選手だが、それでもキャリアの中で積み重ねてきた失点は760超。
 そんな楢崎選手は「許したゴールはすべて自分の責任」と考えるという。

 ゴールキーパーがすべてのシュートを防げば、試合に負けることはない。しかし、現実を見てみれば世界中どこを探しても全試合無失点のゴールキーパーはいない。そう、どんなに優れたゴールキーパーであっても失点するのだ。若い頃は無失点で抑えることだけに喜びを感じていた楢崎選手だが、次第に「失点」を前向きに捉え、失点したあとの自分の振る舞いや行動についても考えるようになったという。

 失点の原因には様々なものがあり、もちろんチームスポーツである以上、失点は組織としてのミスだ。しかし、楢崎選手は「失点はゴールキーパーがどうにか防げるもの」であると考えており、そして、「自分の責任だと感じるからこそ、「同じ過ちはしない」と練習に取り組める」と語る。

 失敗を誰かのせいにするのは、とても楽なことである。しかし、それでは成長を望めない。楢崎選手のサッカー人生、ゴールキーパー観、そして“失敗”について語られた『失点』(幻冬舎/刊)は、凄まじいプレッシャーの中でプレーする楢崎選手のリアルな言葉に触れることができる。

 前日本代表監督のイピチャ・オシム氏の「サッカーに正解はない」という言葉を、楢崎選手が「プレーの選択肢はいくつも存在し。そこに正しい答えはないということだ」と解釈する。

 失点やミスは次の成功や勝利に生かすためのチャンスだ。
 今日、日本代表はカメルーン戦に臨む。もちろん勝って欲しいは本音だが、その1つ1つのプレーを大事にしながら前向きに戦えるか。日本国民は、日本代表の進化を期待している。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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