1961年から1992年まで、18回にわたって実施された早川書房主催のハヤカワSFコンテスト(中短編が対象)は、眉村卓、豊田有恒、小松左京、半村良、かんべむさし、山尾悠子、神林長平、大原まり子、森岡浩之など数々の才能を輩出した。
 その後、7年の空白を経て、1999年には日本SF新人賞(日本SF作家クラブ主催、徳間書店後援)、2000年には小松左京賞(角川春樹事務所)が創設され、長編SFを対象とする公募新人賞2賞が並び立つことになったが、両賞とも、去年から今年にかけて相次いで休止が発表された。
 それと入れ替わるように創設されたのが、東京創元社が主催する創元SF短編賞(http://www.tsogen.co.jp/sftanpensho/)。SF出版社が主催するSF短編の新人賞としては、ハヤカワSFコンテスト以来、18年ぶりということになる。このほど、その第1回受賞作が決まり、『ミステリーズ!』2010年6月号誌上で発表された。
 全612編の応募作の中から受賞作に選ばれたのは、松崎有理「あがり」。著者は1972年茨城県生まれ。東北大学理学部卒。2008年、第20回日本ファンタジーノベル大賞に応募した「イデアル」が最終候補に残っているが、短編SFを書いたのは今回が初めてだとか。
 佳作は、高山羽根子「うどん キツネつきの」。著者は1975年富山県生まれ。多摩美術大学美術学部絵画学科卒。
 このほか、最終選考を担当した各選考委員が自分の推薦作を表彰する個人賞が設けられ、宮内悠介「盤上の夜」が山田正紀賞、山下敬「土の塵」が日下三蔵賞を、坂永雄一「さえずりの宇宙」が大森望賞をそれぞれ受賞した。
 受賞作「あがり」は、7月27日刊行予定の大森望・日下三蔵編『量子回廊 年刊日本SF傑作選』(創元SF文庫)に収録予定。
 また、その他の各賞受賞作4編を含む最終候補作9編は、改稿のうえ、創元SF文庫から、オール新人によるオリジナル・アンソロジーとして年内に刊行されることが決まった。

(大森望)







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