「会社では教えてくれない仕事のルール」というものがあります。
 
  その一つに「本日のおすすめを注文するな」があります。つまり、居酒屋などで見かけるメニューの「本日のおすすめ」のことです。

 「何食べようか......。本日のおすすめって何ですか? それください」は、日常でよく見かける光景です。一般的な感覚から言えば、お店のおすすめなんだから間違いないだろうと思います。もちろん、味もいいのかもしれませんが、おすすめに頼っていては、社会人に必要な「意思決定力」を磨けません。

 ある話で、魚を焼いていた人が別件で少し席を離れなくてはならなくなり、「魚を見ておいて」と指示したところ、用事を済まして戻ってきたら真っ黒こげに。なぜ何もしなかったかと問いただしたところ、「見ておけという指示だったので、見ていました」と返ってきたそうです。「魚が焦げそうなら火を止めると具体的に指示されないとできません」と堂々と答えたそうです。

 若いうちは機会は少ないかもしれませんが、会社の中枢部門にいくと、自分の意思決定次第で何億というお金を動かすことも出ます。そんなときに「自分では決められません」とは言えないですよね。若いうちから意思決定する力を身につけておいた方が、あとあと役に立つはず。

 この意思決定力というのは、普段の生活の中で少しずつ養うことができます。ちょっとずつでいいので、自分の意思を持って決めるようことが大事。居酒屋で安易におすすめメニューを注文するのではなく、あらかじめ「今日は○○を食べよう」というような気持ちを持った上でいくとか、「○○ありますか?」とこちらから聞くぐらいの気持ちでいると、少しずつ意思決定力が養えます。

 「今はコンピューターが発達し、データが豊富にあり、左右の状態がある程度わかる世の中になってきているが、最後に判断するのが人間であることに変わりはない」

 トヨタ自動車名誉会長、豊田英二氏のこの言葉を忘れないようにしたいものです。



『会社では教えてくれない仕事のルール 』
 著者:長井 亮
 出版社:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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