人間の行動やふるまいは、時として言葉以上に多くのことを物語ります。そこから相手の心理を読みとることができれば、円滑な人間関係の構築に役立つはずです。

 たとえば、会話中の笑い方で相手に心のゆとりがあるかどうかがわかると、精神科医の深堀元文氏はいいます。

 大きな声で笑う人は、どんな性格だと思いますか? 

 このように聞くと、当然のように陽気で明るい性格といった答えが返ってきます。たしかに、そういう面があることは否定できないのですが、その背後にある心理を掘り下げてみると、それほど単純な話ではないようです。日常会話で大きな声で笑うのは、「あなたの話をちゃんと聞いていますよ」という意思表示である場合が少なくないのだそう。つまり、大声で笑う行為の背景には、自分に心のゆとりがあることを示したいという心理が働いている現れなんだとか。

 一方、大きくない声で笑う人はというと、このタイプは心にゆとりのあるタイプか、ゆとりは少なめで意思表示も苦手なタイプのどちらか。ゆとりのある人は声の大小に関係なく、朗らかな笑顔を見せて自然に笑うことが多いといいます。心のゆとりは笑い声ではなく、むしろ表情にこそ表れるものなのです。

 では、含み笑いをする人はどうでしょうか。口をあけずにフフフッと笑ったり、身をかがめるようにしてクククッと笑ったりする人=すなわち含み笑いをする人は、感情を自分のなかだけで処理する傾向が強い人。このタイプは、自分の感情をコントロールすることに気を取られがちで、やはり、心のゆとりはない人が多いと深堀氏。

 最後に、口に手をあてて笑う人はどうでしょう。「人前で口を大きく開けるなんてみっともない」と厳しくしつけられて育った女性によく見られるように、口元を手で隠すようにして笑う人は、見た目の印象は落ち着いていて心にゆとりがあるように思えますが、実際にはそうとは言えないんだそうです。というのも、幼児期のしつけが思わず出てしまうのは、行動が制御されている証拠だから。

 もう少し詳しくいうと、この人たちにはつつしみある大和撫子が理想的な女性像であるという観念が植え付けられており、心のなかではその理想から外れないように行動しなければ......という深層心理が圧力として常に働いているといえます。感情表現がこのように制御されている人に、はたして十分な心のゆとりがあるといえるでしょうか?

 相手の本心を見抜き、自分を知るための実践心理学の書籍『つい、そうしてしまう しぐさ・好みでわかる深層心理』には、無意識の「しぐさ・ふるまい」には様々な理由があることがまとめられています。

 「心理学は楽しい!」と思える一冊です。



『つい、そうしてしまう心理学』
 著者:深堀 元文
 出版社:日本実業出版社
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