高所得転職者の入社前調査 〜その知られざる実態〜 第3話
探偵による「高所得転職者の借金調査」の実態

入社志望者の借金は? 素行は? 経歴は本当?
などなど、採用企業が本気でお金をかければ調べられないことはありません。

高額所得者を雇うからこそ、志望者への調査は仔細に渡ります。調査の現場では、果たして何を調べられているのでしょうか?その方法とは一体どのようなものでしょうか?

本シリーズでは、実際にあった入社前調査の実例を、現役探偵が語ります。

探偵による「高所得転職者の借金調査」の実態

この連載を読んでいると、自分が調べられることに抵抗がある方もいらっしゃるかもしれませんが、それ以上に応募者の「詐称」があまりにも横行しているというのが実態です。面接にあたって皆さんが身構えることは何もありません。カントが「実践理性批判」で言っていたように、嘘をつかなければいいのです。

某IT系企業からまたメールが来ました。本文には応募者の氏名、生年月日のみ。今回の調査内容は「借金の有無を調べてくれ」ということなのですが、そんなセリフは口が裂けても仰ってくれません。この辺は阿吽の呼吸でやっていますが、一度雑談で訊いた時には、二次面接を通過した際に仕掛ける調査なのだとか。

調査には氏名・生年月日以外の情報は必要なく、たったそれだけで借金の有無が判ってしまうのです。調査にかかる日数は約3日。超特急なら20分ですが、コストは4倍増なので通常そこまでのスピードは求められません。

キレイなカラダであること

この応募者Bさんを実際に調査してみると、3年前に40万円の借入があり、こちらはすぐに完済していましたが、半年前にも20万円つまんでいて、残債が5 万円ありました。

あまり情報の取り方そのものを公開してしまうと、このコラムが作者行方不明につき全三回で強制終了してしまいますのでまだ多くは語れませんが、これをお読みの方があまり行きそうにない、上階から消費者金融がずらりと居を構えるJR駅前の雑居ビルに行けば、携帯電話の機種変更よりもスピーディーに審査が終了することから、何らかの方法があるんだな、とお察しいただければありがたいです。

仮にBさんがやむを得ない事情でお金を借りていていたとしても、「俺の借金はギャンブルじゃないんだ!」と言い訳できないのが秘密裏に調査される身のツライところ。このように仕事の能力ではないところで「キレイなカラダであること」を求められ、理不尽に評価されてしまうこともあるのです。

ちなみに、家や車のローンに関しては、単にローンの残債がいくらあるということを報告するだけで、こちらはセーフの場合がほとんどです。

本日現在の借金がなければそれでいい

「借金はないけどそんなこと調べる会社、絶対行きたくない!」と思ったそこのアナタ、探偵は口が裂けても依頼者の名前は出しませんよ。

この借金調査で脱落しないポイントとしては、ほとんどの企業が「本日現在の借金がなければそれでいい」というところです。芸能事務所がアイドル志望者に彼氏と別れることを条件に契約するのと似たようなものでしょうか。

これから1000万円稼ごうというのですから、Bさんは多少の無理をしてでも現在の借金は履歴書の提出前に清算すべきだったのです。

では、最後に軽く裏情報を。ちなみに闇金から借りたお金に関しては、雇用調査の料金程度では探偵は調べませんので…。

著者プロフィール
木島球六(きじま・きゅうろく)(仮名)
大学卒業後、某酒造系メーカーに就職。営業マンとしてそこそこの実績をあげていたが、だいぶ仕事に飽き始めていたところ、ある日ポストに入っていた「探偵募集」のチラシが目に入る。興味本位で探偵事務所を訪問してから早10年。今では事務所で一番のベテランとなっている。年間250本の調査依頼をこなす傍ら、採用責任者として年間50人以上の探偵志望者の面接も行っている。


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