賞の名前は、e-DUNNIT AWARD(イーダニット・アウォード)。犯人当てのミステリを意味するWhodunit(フーダニット=犯人は誰か)にひっかけた命名で、さしずめ「eミステリ大賞」というところですか。対象となるのは、2009年にイギリス国内で電子書籍として発売されたミステリ。出版社から寄せられた候補作品のリストは、http://www.crimefest.com/awards.html#edunnit参照。マイクル・コナリー、ディーン・クーンツ、ハーラン・コーベン、マイケル・マーシャルなど、日本でもおなじみの名前も多数。これら120点を超えるミステリが、昨年、電子書籍として英国で発売されたわけだ。このリストをもとに英国のミステリ書評家たちの投票で候補が絞られ、受賞作が決まる。
 その投票結果が、先ごろ、クライムフェスト(英国のミステリ大会)会場で発表された。栄えある第1回受賞作は、新潮文庫から昨年邦訳されたジョシュ・バゼルの『死神を葬れ』。日本ではあんまり話題になりませんでしたが、「ER」と「24」がドッキングしたような、ノリのいいノンストップ・サスペンスで、なかなかいい選択じゃないでしょうか。
 受賞者には、スポンサーのSONYから、賞金1000ポンドと、SONY製の電子書籍端末「Reader」が贈られる。日本ではKindleとiPadばかり話題になるけど、Readerも電子書籍端末では、Kindleに次ぐシェアを誇り、日本でも年内発売予定。2、3年後には日本でもe-DUNNIT AWARDが実施できるくらい、電子書籍のミステリが出ているだろうか。

(大森望)







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