賛否両論の“本屋大賞”受賞作が映画化

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 ついに6月5日に封切られた映画「告白」。公開直後から主人公の女性教師役に松たか子さんの圧倒的な演技とストーリー展開に、賞賛の声があがっている。

 この「告白」の原作は、2008年5月に双葉社より出版され、単行本と文庫本を合わせて200万部を突破するベストセラー小説。作者の湊かなえさんは本作でデビューを飾るわけだが、あまりにも衝撃的なストーリーが話題を呼び、2009年には本屋大賞を受賞している。

 さて、そんな『告白』であるが、ネット上の読者たちのレビューを見ていくと、まさに“賛否両輪”だ。目立つのは「後味の悪い作品」「全く救いがない」といった批判と、「斬新だ」「とても読みやすい」といった賞賛の声である。
 しかし、この「読後感」こそ、本作の一番の読みどころである。賞賛の声の中には、本作の読みどころはまさにその「読後感」であるという意見もあるが、まさにその通りではないか。

 本作は普通の小説のような章を追うごとにストーリーが展開していくという形式ではなく、ある1つの事件の真相を関係者たちが独白するという形式で書かれているが、まず1章の女性教師の「告白」でなんとも言えぬ陰鬱さ、人間の残酷な部分を抉り出す。そして、さらに続いていく様々な人の告白を通して、人間の闇の部分をよりクローズアップしていく。そこに存在する「現代社会の病巣」を今度は読者がどう考えるのか、その捉え方によって本作へのイメージはかなり違ってくる。

 もう映画を観た方は原作を読むことで、新たな捉え方ができるかも知れないだろう。まだ映画を観ていない方は事前に本作を読むことで、より深く映画を噛み砕くことができるかも知れない。是非、読んで欲しい一冊だ。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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