こういうタイプの人間が、ナポリに好かれないはずがない。そして彼にとっても、ナポリが好きにならないはずがない。インテルFWマリオ・バロテッリは4日、約100人ものサポーターの注目を集め、ナポリの街を熱狂させた。そして5日、今度は「ゴールデンゴール」賞を授与されたソレントで、同じようにファンのアツさを称賛し、「(ジョゼ・)モウリーニョがオレをマドリッドに呼んできたら? ナポリの太陽の方が良いね」と笑って話している。

さらに、バロテッリ加入を望むナポリのサポーターに対し、「この街はあらゆる点でファンタスティックだよね。すごくアツいし。でも、サッカーとはまた別物なんだ。誰もがそれぞれの道を進まなければいけない。来年の自分がどこでプレーしているかは分からないよ。インテルに残留するか? 質問が分からないな…」と続けた。

そう、バロテッリの去就は再び確実でなくなっているのだ。ただし、バロテッリの発言を受けての騒ぎを見て、説明する必要があると感じたのか、代理人のミーノ・ライオラ氏は「最初の可能性はインテル、その次はインテル、3番目もインテルだ。(マッシモ・モラッティ)会長は、彼がマーケットから外れていると言ったんだからね。インテルに彼を売るつもりはない」と強調している。

一方、バロテッリ本人は『ラジオ・キス・キス』に対し、今シーズンを振り返って、バルセロナとのチャンピオンズリーグ(CL)準決勝の興奮を次のように語った。

「CL優勝はすごい興奮だったよ。でも、それ以上にオレの心に残っているのが、バルセロナとの試合なんだ。あのカンプ・ノウの大観衆の前で…最高だったよ。オレたちは数的不利になったのに、マドリッドでの決勝以上の素晴らしい快挙で、勝ち進むことができたんだ」

また、バロテッリはジョゼ・モウリーニョ監督の難しい関係についても、次のように話している。

「かなりいろいろと騒がれたね。オレが自分に似た特徴、かなり強いキャラの人に会うと、対立があるんだ。オレたちは愛情と憎しみがある関係だった。口げんかもあったよ。でも、それほど深刻なことじゃない。あり得ることさ。ピッチでの自分を何度か見直すと、自分じゃないみたいなんだ。オレは真面目な人間だけど、若いし、楽しむのが好きなのも当然だよ」

バロテッリはすでにバカンスに入っており、南アフリカ・ワールドカップは観戦するだけとなる。「オレは準備できていたんだけどね。気分が悪かったのは当然さ。どの選手も代表のために戦いたいものだ。とにかく、オレはイタリア人だし、イタリアを応援するよ。一番危険な相手? ブラジルだね」とコメントした同選手は、チェーザレ・プランデッリ次期イタリア代表監督にメッセージはあるかと聞かれると、「しゃべるのは意味がない。ゴールを決めなければいけないというだけだ」とつけ加えた。