6月5日(土)に映画『リアル鬼ごっこ2』が公開される。
 本作はその名の通り2008年に劇場公開され、スマッシュヒットを飛ばした『リアル鬼ごっこ』の続編なのだが、原作(山田悠介/作)は「Amazonでもっとも多くレビューがついている本を探してみた」という記事で取り上げた通りの“問題作”である。

 舞台は西暦3000年の日本。
 国王は「同じ苗字の人間は要らない」として、日本全国500万人の“佐藤”と苗字のつく人間を捕まえ処刑する「リアル鬼ごっこ」を開始する…。そのあまりにも狂気的な「1週間」を横浜の大学に通う佐藤翼の視点で描く、疾走感溢れるミステリー小説だ。

 これだけ読むと非常に面白そうな物語だが、何が問題なのか。
 Amazonのカスタマーレビューには以下のような文章が連なる。

「著者の文章力のなさ、ひど過ぎる!」
「あの崩壊した文章は酷すぎた」


 そう、文章があまりにも拙いのだ。
 例えば以下の文章。

「二人が向かった先は地元で有名なスーパーに足を踏み入れた。」
「いざ、着地してみるとそこは森の様な草むらに二人は降り立っていた」


 現在書店では幻冬舎刊行の文庫版と文芸社刊行の単行本が並んでおり、文庫版はある程度改訂されているが、文芸社刊行の単行本には上記のような、文法的に破たんした文章がいくつも出てくる。

 ちなみに本作は山田悠介氏のデビュー作。新人作家ならではの勢いのある展開や突飛な設定など魅力的な部分もあるが、それにしても「出版前に校正をしなかったのか?」と思わず首をかしげてしまう作品だ。
 日本語の勉強にピッタリの一冊、とでも言っておこう。
 ただし反面教師としてだが。
(新刊JP編集部/金井元貴)


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