レアル・マドリーのジョゼ・モウリーニョ監督が就任会見に臨んだ翌日、マーケットに関して最初の情報が飛び込んできた。スペインのメディアが、“スペシャル・ワン”が最も望んでいる選手として、インテルFWサミュエル・エトーの名前を報じたのだ。同選手はインテルの今シーズンの成功において鍵を握った選手である。現在カメルーン代表として南アフリカ・ワールドカップ(W杯)に向けて準備中のエトーは、1998年夏から2000年1月までの1年半、レアルに所属し、チャンピオンズリーグ優勝も一度経験している。

センセーショナルなエトーのレアル復帰を報じたのは、『マルカ』紙。同紙はエトーとモウリーニョ監督がミラノで築いた関係を重視している。エトーはモウリーニョ監督の下でSBすらこなし、同監督はそれによって勝者のフォーメーション(4-2-3-1)を採用することができた。

エトーはカメルーン代表のキャンプで、記者の質問にスペイン語で応じ、「“モウ”は世界最高の指揮官の一人だ。そしてレアルは世界最高のクラブの一つだね。オレはただ、彼が必要なだけ、できる限りの幸運を手にできるように願うばかりさ。彼のディテールのケアから言えば、後は勝手に決まるさ」と話している。

モウリーニョ監督への賛辞は、スペイン復帰希望ととらえることができるのだろうか? エトーは「まずは素晴らしいW杯を過ごしたい。それから…どうなるかを見てみよう」とコメント。記者が続けて「モウリーニョ監督のレアルがリーガを制覇することを望んでいますか?」と尋ねると、同選手は笑ってエールを送るだけにとどまった。

一方、『ムンド・デポルティボ』紙は読者に対し、「エトーがレアル・マドリーに戻ってくると思うか?」とのアンケートを実施。だが、投票したファンのうちの60%は、ノーと答えている。

モウリーニョ監督は記者会見でストライカーの獲得には言及しておらず、特定の名前を挙げることもしなかった。だが、彼のリストには2人のDFと2人のMFがいることは周知の事実だ。

なお、母国の英雄ロジェ・ミラ氏から批判を受け、「W杯へ行く価値があるのかどうか分からない」と述べ、大会参加をめぐって騒動となっていたエトーだが、再びキャプテンマークを巻くことになったようだ。エトーはミラ氏に対し、「オレが母国に何も持ち帰らなかったと明言することは、正直に言ってムカつく。でも、オレはW杯でうまくやりたいと思っているんだ。カメルーンを愛しているからさ」という手紙を送ったそうだ。