マーケティングは戦争です。

 現代の戦争は大規模な軍隊による大掛かりな戦闘よりも、小規模な部隊による局地的な紛争への対応を迫られていますが、マーケティングもまた、巨額の予算を計上してマスメディアに広告を出していればいいという時代ではありません。テレビ、新聞、雑誌、ラジオという4マス媒体の広告市場が縮小し続けているのもその表れ。

 つまり、リアルな戦争もマーケティングの戦争も、頻発する小規模な戦闘への対処が必要な時代なのです。とはいえ、リアルな戦争と同時に、マーケティングもまた総力戦です。戦争では恒常的に小規模な局地線に対応しなければならないとしても、一方では常に大規模な戦闘に備えて、軍備を充実させておかなければ勝利は絶対になりませんし、敵地に上陸するためには前線を徹底的に空爆しておく必要もあります。陸戦での敗北を海戦で帳消しにするなど、勝敗はさまざまな戦場での総合的な成果によって決着がつくもの。

 だからマーケティングにおいても、いま最先端のソーシャルメディアマーケティング(ブログやTwitter、SNSなど)だけを行っていれば勝てるというわけでなく、選択肢の一つとして最適なタイミングと方法で採用しなければならないことは、言うまでもありません。YouTubeがあるからといってテレビがいらなくなるわけでもなく、Twitterが流行っているからといってTwitterだけを使いこなせばマーケティングがうまくいくということはあり得ません。

 マーケティングが戦争だとすれば、ソーシャルメディアマーケティングは、ジャングルや市街地で行われる比較的小規模かつ局地的な戦闘に近いのです。従来のマス広告が、ミサイルによる空爆や大艦隊による海戦のように巨大な規模と費用にかかる戦闘だとすれば、ソーシャルメディアマーケティングは人間同士の白兵戦。もちろん戦っている相手は消費者や顧客ではなく、同じ市場の制圧を争う競合他社。

 空爆にはミサイルや爆撃機が、海戦には空母や駆逐艦が必要なように、白兵戦には白兵戦の武器が必要。そして、もちろん戦い方そのものも大きく異なります。

 企業がソーシャルメディアマーケティングという新しい戦略を社内で検討する際に役立ちそうな書籍『ソーシャルメディアマーケティング』。ITや広告業界だけでなく、あらゆる業界のマーケティング担当者や、マーケティング部署への配属を目指す学生たちの参考になる一冊です。



『ソーシャルメディアマーケティング 』
 著者:オガワ カズヒロ(小川 浩・小川 和也)
 出版社:ソフトバンククリエイティブ
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