韓国・ソウル市内の各地で31日、哨戒艦沈没事件に関して、韓国政府の調査結果を批判する印刷物が相次いで配布された。また、インターネット上でも「韓国が北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける」とのうわさが飛び交うなど、不穏な空気が韓国国民の間で広がっているという。

 韓国のメディアは、政府の哨戒艦の調査結果はねつ造だと主張する印刷物が、31日の1日だけで、孔陵洞(コンヌンドン)、恵化洞(ヘファドン)、成均館(ソンギュングァン)大学一帯、新吉(シンギル)駅付近など、ソウル市内の各地で大量に発見されたと伝えている。

 また、韓国のインターネット上では、「明日でなければあさって戦争」「先月29日に大統領が主催した会議上で、北朝鮮に対する先制攻撃方針が決定し、17才以上の男は全員徴兵される」「すでに北朝鮮が戦争の準備を終えたことを韓国の大統領府と政府が確認しており、対北朝鮮先制攻撃を準備している」といった開戦説が広がっているという。

 ソウル警察庁・サイバー犯罪捜査隊長は同日、「このような虚偽を事実であるように信じる人もおり、急速に広まっている現在の状況は、新たに深刻な問題をもたらす」とのコメントを発表。今回のインターネット上の虚偽流布者を追跡すべく、集中捜査を開始した。

 ソウル警察は先月26日には、哨戒艦沈没事件に関連する虚偽の記載をインターネット上で大量に行ったとして、チェ容疑者など4人を書類送検しており、類似の11の事件についても調査を続けている。(編集担当:李信恵・山口幸治)



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