新入社員の正論は通用しないことが多々あります。

 なぜ通じないのでしょうか? これは言っている内容の問題ではなく、言い方の問題でもありません。「何を言うかではなく、だれが言うか」が重要なのです。

 職場で最も通じる表現は「仕事で成果を出す」こと。仕事で成果を出してやっと一人前。だからそれ以前の「半人前」は、まわりからずっと「値踏み」されているようなもの。

「こんど入った新人ってどんな子なの?」
「空気読めない子じゃないかしら?」
「実は隠れたところで性格悪かったりして?」
「戦力になってくれるかしら?」
「足ひっぱられて効率落ちたらどうしよう?」

 だから、この時期に新人が一見まっとうな意見を会社にぶつけたとしても、聞いている方は新人が言っている内容以上に、新人という人間性が気になってしまうのです。

「新人のくせに偉そうなこと言うわね」
「コイツこう見えてけっこうインテリなんだな」
「ウチの部署に配属になったのはミスマッチじゃないか」

 と、値踏みがはじまってしまいます。

 だから、この時期の新人が訴えても、わかってくれているような、わかってくれてないようなニブイ反応、怪訝な顔をされてしまうことが多くあります。

 値踏みされる状態はツライですよね。自尊心が痛みます。とくに大学までずっと地元で育ったとか、小中高大とずっと同じスポーツをやってきたとか、それまで何も言わなくてもわかってくれる人、旧知の間柄で自分への理解がブレない人に囲まれてきた人ほど、自分のことをまったく知らない他人のなかで、値踏みの視線を浴びて過ごすのは屈辱的ですらあります。

 そんな時にちょっとした失言やミスをして先輩たちから過剰反応されたり、自分のことを誤解されたりした日には、「ちょっと待ってくれ、自分はそんな人間じゃないんだ!」「そんな問題児を見るような目で見ないでくれ!」と、自己弁護・自己証明をしたくなります。しかし、これは厳しい現実として受け止めなければならないのです。

 では、どうすれば自分の意見を言うことができるようになるのでしょうか。山田ズーニー氏の書籍『新人諸君、半年黙って仕事せよ』では、新人社員の五つの心得を紹介しています。

1.意見を言うまえに仕事せよ!
2.職場は学校ではないと自覚せよ!
3.上司の信頼を得るための説得力を身につけろ!
4.受けた「誤解」はすぐに解け!
5.社会人として通じる「おわび」を身につけよう

 頭では理解していても、意外とできていない新人社員の心得。入社して2か月が経とうとしている今日。ここらで心得を再確認するのも、新入社員の大切な仕事かもしれません。



『新人諸君、半年黙って仕事せよ 』
 著者:山田 ズーニー
 出版社:筑摩書房
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